久しぶりに絵本紹介。
牛乳、食パン、リンゴ、、、
目の前の少年が大好きな彼らは、飲んだり食べられる前に、「飲まないで!食べないで!ぼくがいなくなっちゃう」と心で叫びます。大好きな少年とずっと一緒にいたいのに、自分が消えてしまう瞬間はとても悲しい気持ちになるでしょう。
でもその瞬間、気づくのです。
ぼくはきえていない。
ぼくはきみのなかにいる。
と。
最後に本が出てきます。
いつも少年と一緒にいて、読んでもらっていた本は、ある日少年の飼っているネコの「タマ」にぐちゃぐちゃに引きちぎられてしまい、少年のお母さんに捨てられてしまいます。
きみは気づかない。
ぼくがいなくなっちゃう。
ぼくはきえちゃう。
と、本は声にならない悲しい叫び声をあげます。
だけど、気づくんです。
あれ?
でもやっぱりぼくはいる。
ああ、やっとわかった。
ぼくはきみ。
きみはぼくじゃないけど、ぼくはきみ。
ぼくはきみとずっといっしょ。
人は成長する過程で、無意識にたくさんのものを吸収しながら生きています。
影響の大きさはそれぞれ違うけど、ぼくらが今日まで出会ったものはすべて、ぼくらのなかで一緒に生き続けているんだ、ということだと思います。
この話は、私の中では人との別れの話につながります。
特別な人との別れというのはとても悲しいものです。悲しいのは、その人から受け取ったものが大きいから。だからこそ、特別な人との別れはとても大切なもので、その人から受け取ったものを自分らしくより良く生きるための糧にしてゆければ、それはこの絵本と同じように「一緒に生き続ける」ことになるのではないか、と思います。
出会いを大切にし、人との関係をより深めていくことが、人生を豊かにしていく、というのはそういうことなんだと、子どもの絵本を読んで学びました。
子どもにも、ぼんやりでもいいからそういう感覚を持ってもらいたい。良い絵本だと思います。
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あなたの人生の文字盤が見つかることを願っています。
それでは!