以前「ゆっくり、いそげ」の著者である影山知明さんのイベントに参加させていただき、最高の日になりました。
<参考記事>【NABO】「今日という日を生きれてよかった」そう思える毎日を生きたい。
で、またまた上田の素敵な本屋「NABO.(ネイボ)」で素敵なイベントがあるとの情報が。。。
今回は「岩木遠足 人と生活をめぐる26人のストーリー」という本の著者、豊嶋秀樹さんが来る!とネイボの池上店長が誘ってくれ、以前の体験があったからか、思うよりも先に手が動いた感じでフェイスブックの参加ボタンを押してしまいました。
「岩木遠足」の本の小さなトークツアー / nabo Books&Cafe 上田
でも正直なところ、豊嶋さんという方のことも、この「岩木遠足 」という本のこともまったく知らず、読みもせず、という失礼な参加者として不安を抱えつつネイボに向かったわけですが笑、やはりとても素晴らしい体験になった。
つたない文章ですが、感謝の気持ちを込めてシェアします。
豊嶋さんはなぜ上田に来てくれたの?
豊嶋さんは今、「岩木遠足 」を持って、ジムニーに乗って全国行脚中なんだそうです。
住んでいる福岡から、京都にある出版社へ本を取りに行き、岩木山のある青森県まで北上。ここをスタート地点とし、福岡に戻る道すがら、様々な場所に寄って人と出会いながら、本を紹介しながら旅をしている最中に上田があったワケです。
(ネイボの池上店長情報では、本日2015/12/6、福岡にて最後のトークイベントをして終了するそうです)
でもそれだけじゃ寄ってくれませんよね。
昔、ネイボの池上店長と、山梨県で「津金一日学校」というのをやっていたつながりでこのイベントが実現したということなのです。
というか、池上さんって何者なんだ、、、と少し興味が湧きました笑。
豊嶋さんってどんな人
豊嶋さんの活動の説明は、もっとしっかりした素晴らしい紹介があるのでぼくなんかはお呼びでないですのでそちらを見てもらうこととして(例えば、目線を変えることで新しい働き方が生まれる 豊嶋秀樹 前編とか参照)、個人的な視点で書いてみますね。
ぼくの印象は「確固たる自分を持って人生を楽しむことで人を楽しませてしまう人」です。
誰かの顔色を気にすることもなく、誰かに合わせるでもなく、「豊嶋秀樹」として存在していて、自分を良く知り、自分の中にある喜びとか楽しみを純粋に追求できる人、自分の人生を楽しむ術を知っている人だと感じました。
そう聞くと「ただの自分勝手な人じゃん」っていうイメージが湧いちゃうのですが笑、それを突きつめると突き抜けちゃうというか。何か誰にも媚びずに自分が心から楽しんでいると、みんなも楽しんでしまうという現象が起きるというか、そんな感じの人なんだろうなって感じたんです。
優しい笑顔で柔らかい雰囲気の「普通の人」の中に、鋭く尖った確固たる自分を持っている方、という印象でした。
何となく、坂爪圭吾さんを感じさせる人。
<参考記事>
・世界をリフレーミングする坂爪圭吾のヤバすぎるブログ9選をくらって、自由になれ。
・凡人が坂爪圭吾さんに会うまえに知っておきたい9のこと。
NABOでのトークイベント
トークイベントはまず豊嶋さんが手がけていた「岩木遠足」の活動紹介を軸に、豊嶋さんが生きていく上で大切にしていることを話してくれるもの。
豊嶋さんは楽しそうに自らの経験を語っており、こちらも笑顔になってしまう雰囲気で、その中に「こんな生き方もありなんだ」「そんな生き方できたら楽しいな」と聞き手の感情をくすぐっていくようなものでした。
豊嶋さんが大切にしていること
ぼくのアンテナに引っかかったお話が4つありました。
1.そこに面白いことがきっとあるはずだから、それをつなぎ合わせて何か面白いことができないか?
青森県の岩木山に登った時、そこから眺めた街には、「弘前」という行政的なくくりはなかった。
だから、岩木山が見えるところに根付き暮らしている人、日常で岩木山を眺めながら暮らしている人たちの文化をつないでみたいと思った。
というような話をされていたんです。
常識を通じて見る世界に、何か物足りなさを感じたのではないでしょうか。
本当は純粋に無邪気に世界を見れば面白いものが見つかるかもしれないのに、ぼくたちのほとんどは「こうしなければならない」「こういうもんだ」と思い込んでいて、勝手に世界に線を引いている。そうすると見えなくなってしまうものがある。
そうではなく、その純粋で無邪気な感覚のまま、常識にとらわれずに点と点をつないで線を描いていけば、面白いものが見えてくるのではないか。
自然の中に立って、湧き上がった気持ちに素直に行動してみよう、と言ってくれている気がしました。
2.ブツ切りのプロフィールをつなぎ合わせたらそれは「個性」
天才ではない人は、これまでのブツ切りのプロフィールをつなぎ合わせて個性にするしかない。
というどなたかの言葉を引用されていました。
天才は一つのことを突き詰めてやれば、それが個性になるけれど、凡人はこれまでのブツ切りの経験とかプロフィール(プラスと感じるものもマイナスと感じるものも)の中に何かしらの意味を見出し、つなぎ合わせてみて一人の人間としての個性とするしかない、というような話で、んーなるほど、と納得してしまいました。
ぼくのような凡人は、これまでどんなことに反応し、何に喜びや安らぎや怒りや悲しみを感じてきたのか?その結果どんなことを経験し身につけながらここまでたどり着いたのか?そんなことを棚卸しして、どこかのタイミングで自分という人間を深く知る必要があるんです。
ぼくは今まさに働き方について考えていて、豊嶋さんが言っていたことをしている真っ最中なんだな、と。
それを言われている気がして、今の行動に自信が持てたし勇気付けられました。
3.プロジェクトを楽しむチーム作り
何かをしたいからメンバーを探すのではなく、出会った人と何かをやる。
と豊嶋さんは言います。
トークイベントの中でも、ちょっとしたゲームがありました。
3人1組になり、自分の得意なこと、やりたいこと、やっていて楽しいことをカードに書いて出し合い、それを組み合わせてプロジェクトとかイベントを作るとしたらどんなことをするか、というもの。
目的ありきでメンバーを集めるということは、より能力の高い人を集めたい、足りない人は違う人と交換したい、という思考が自然と働きます。効率とか精度とかクオリティーとかを求めれば当然のこと。
でも出会って気が合った人で、「何ができる?」っていう話からやることを決めれば能力は関係なくて、もうその人としかできないプロジェクトになる。
前者は悲しいけれど、後者はなんか嬉しい、とぼくは感じました。
4.幕の内弁当
続けて豊嶋さんは、
「とんかつ定食」や「デミグラスハンバーグ定食」ではなく、「幕の内弁当」がいい。
と。
そこにとんかつがなければ、デミグラスハンバーグがなければ、つまり主役がいなければ、とんかつ定食もデミグラスハンバーグ定食も当然成り立他ないのです。
でも幕の内弁当は、主役が何なのかよくわかりません。
でも一つは好きなものが入っていて、何か安心するのです。
そこでつながったみんなの「ブツ切りのプロフィール」が生み出す個性をちりばめた幕の内弁当は、一つ一つを取ればとんかつやハンバーグには見劣りするけれど、「全体としては、いい」というものになる。
ぼくは主役がいた方が嬉しい派だったのですが、幕の内弁当が少し好きになった気がします笑。
まとめ
豊嶋さんは全国を旅しながら料理をしているのではないか、日本中の自分が面白い・楽しいと思う素材をつなぎ合わせ関わったみんなを笑顔にするような「幕の内弁当」を作る人なのではないか、と話を聞いて感じました。
「岩木遠足 」の帯にもありましたが、すべてのことを「こうしなければならない」と断定的に見るのではなく、「こういうあり方もあるんだよ」と、自らの体験を通じて優しくくすぐりながら教えてくれる感触があった。
そうやって常識を壊して、気づかないうちに接した人の見ている世界をリフレーミングしてくれるような人です。
「岩木遠足 」という本も、様々な人の生き方紹介を通じて「世の中にはいろんなあり方がある」と伝えています。
正直、ぼくは豊嶋さんのオーラにちょっとビビっていました。
多分それは、鋭い感覚と確固たる自分を持っている強さにビビっていることと、世間に媚びながら生きている自分としてはそれが心底羨ましいということに、無意識に反応してしまっているような感じ。
自然体で優しい笑顔の方なのに、素直になれない自分がもどかしかった。
でも、そんな自分に気づけたのも、これまた収穫。
それでもちゃっかりサインはもらいました。。。笑
それではー!