【対極にある価値】理性と感情があるから、人生が動く。

 
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人間はワインと一緒で、気候の産物である。どの人も故郷をいいところだと思っている。そして、自分の祖先のことを立派な人であって欲しいと願っている。ワインも人も生まれ育った地域(クリマ)の気候や歴史の産物なんだ。だから地理と歴史を勉強しなければならない。byキッシンジャー

 

 

人は誰しも祖先が立派な人であって欲しいと思っていて、自分の国も立派な祖先がいた国であって欲しいと願っている、というのがライフネット生命の出口会長がこの本の中で繰り返し書いていたことです。

 

本の中には「祖先が立派であって欲しいという願望は、人間の当たり前の心情でもある」とも書かれています。

 

出口さんは歴史が大好きで、子どものころから歴史書を読みあさっていたそうです。「大好き」なことを積み重ねた結果を本にしたわけなので、私としては信頼感というか説得力を感じます。出口さんは、歴史の断片で世界をパズルのようにつなぎ合わせています。その結果、いつの時代も人間はそうとしか思えない行動をとっている、ということなんだと思います。

 

 

世界の中に特異な国が2つある

今この世界には、ものすごく特異な国が存在するそうです。人間の当たり前の心情を断ち切って生まれた人口国家とも呼べる国がある。それはアメリカとフランス革命後のフランスだそうです。

 

2つの国は、人間の心情である歴史や伝統ではなく、人間の理性を根幹においた「理想」を明文化した成文憲法を拠り所にしています。歴史が浅いということと、人間の理性から生み出された「理想」が礎となっている国。

 

この本を読むまでは、アメリカやフランスという国に対してまったく違和感を持っていませんでしたが、世界の成り立ちからこの2国を見せつけられるとなんだかモヤモヤし始めてしまいます。

 

 

人間の理性に基づいた理想を目指す国アメリカ

私は、理論的に考えて当たり前であることを当然のように言うことが「カッコいい」とさえ思っていました。でもその「カッコいい」って感覚って、戦後の日本とアメリカの関係、つまり「気候」によって価値観が醸成された結果なのかもしれません。

 

歴史や伝統がある社会では、人間がやってきたことでみんなが良しとしてきたものを大事にして、まずいことが起こったら直していこう、という「暗黙の了解」的な感覚が根付いているようです。だけど「理想」が礎になっている社会では、そういうよくわからないグレーな感覚は受け入れられず、人間が考えた「理想」に照らして、とにかく白黒はっきりつけなければいけないんだと思います。

 

すべてをはっきりさせるっていうのは、よく考えたら「狂気」ですよね、、、

 

 

アメリカに感じる違和感が大切

戦後の日本はアメリカを良しとして、アメリカと共にここまで進んできました。だけどすべてをあるがまま受け入れているわけではなくて、「なんか違うんだよな〜」と感じている人が結構いるのではないかと思います。
その感覚は、日本に根付き、心に染み付いている歴史や伝統がまだ残っている証拠なのです。

 

かたや、理性の部分は人間が人間でいるための必要な機能です。なくしてはいけないもの。

 

これまで人間はずっと、頭の中で考えた理想や理論という「理性の部分」と、人情とか心情など人間的な「感情の部分」を組み合わせながら、人と国をつなげながら発展してきたのだろう、というのがこの本を読んで感じたことです。どちらか一方に偏れば、見放されたり、いいように使われたり、本気の信頼関係が生まれなかったりするのかな?と思います。なんとかの切れ目が縁の切れ目っていうやつですね。

 

 

2つの感覚を大切にすることの大切さ

理性と感情がうまくマッチングしたとき(それは歴史・伝統と気候がうまく混ざり合ったときなのかもしれませんが)、何かが一つになって大きなエネルギーが生まれます。
起業をするためには、「情熱という感情には理性という手綱が必要である」みたいな話はよく聞きますし。

 

歴史を知ることで「自分自身の成り立ち」が見えてきます。それを確認し、気候によって生じている「風」を感じながらどこへ行くのかを決める。心も体も自由になるためには、歴史を知り、対極にある「理性と感情」という価値を1つにしようとする考え方が必要であると感じます。

 

 

あなたの人生の文字盤が見つかることを願っています。
それでは!

 

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1980.1.1 東京生まれ YouTubeチャンネル『シンプリィライフ』では、本を参考にしながら無意識の思い込みから自由になる方法をアニメーションで解説しています。本業は古本買取サービス「バリューブックス」のSEOマーケティング担当。