【要約TED】アマンダ・パーマーは人とつながる天才。信頼とフェアな交換が「お願い」をつながりに変える。

 
アマンダ・パーマーというミュージシャンを知っていますか?
 
2013-07-08_2201
Amanda Palmer: The new RECORD, ART BOOK, and TOUR/KICKSTARTERより

 

レコード会社のやり方に疑問を感じ、音楽活動をするための資金を「支援」という形で集めることにして、「外の世界」へ飛び出したアマンダ・パーマー。
そして、ソーシャルネットワークとクラウドファンディングを使って、数週間で音楽系では当時の最高額の約120万ドル(1億円)の支援金を集めたことで話題になった人だそうです。
 
彼女がTEDで、今私が感心を持っている「信頼」について語っていて、とても印象的だったので紹介します。
Amanda Palmer 「The art of asking」
アマンダ・パーマー 「上手なお願いの仕方」

 

スポンサーリンク




 

信頼について

彼女はライブで、ファンの中に飛び込んでいく「ダイブ」が大好きだそうです。みんなを無条件に「信頼」して飛び込んでいく。でもそれはライブのときだけではありません。
 
彼女は、ツアーで本拠地を離れたり、旅にでたりすると、ツイッターでファンにお願いをし、泊まれる場所を探すのです。そして本当に泊まっちゃう。「泊まっていいよ」と言ってくれたファンを無条件に信頼して。すごいですよね。

 

 

フェアな交換について

あるとき、マイアミの貧しい地区に住んでいる女の子の家に泊めてもらったとき、家族みんながベッドをあけてくれたそうです。「これってフェア?この家はお金がなくて貧しいのに…私はここに泊めてもらっていいのかな?」
 
次の日の朝、料理を教えてくれながらその子のお母さんがつたない英語でこう言ったそう。
 

あなたの歌は娘の生きる力になっている。泊まりにきてくれて本当に感謝している。

 
そのとき、「この交換はフェアだ!」と思えたそう。

 

 

「信頼」と「フェアな交換」を繰り返すことが「上手なお願い」につながる

アマンダ・パーマーは「泊まること」と「音楽」ではなく、もっと大切な何かを交換しています。
彼女は人の懐に飛び込み、ファンを無条件にも近い状態で「信頼」するところから始めます。まずこちらから「信頼する」ことで、「信頼していいよ」という意思を伝える。相手はきっと分かってくれる。分かってくれれば分かり合える。それが「信頼」だ、と。
 
「フェアな交換」について。交換するものは、形がたくさんあると思います。
音楽だったり、お金だったり、時間だったり、経験だったり。
要はお互いが、与えることができたモノと、もらったモノで、気持ちが釣り合って納得ができればいいんだということです。
例え客観的に見て釣り合っていなくても、その両者で「フェアな交換」と認識できればそれでいい。

 

この「信頼」と「フェアな交換」を繰り返すことで、音楽活動資金を集めるという行為は、物乞いではなく「上手なお願い」となり、音楽系で当時最高額の支援金を集める結果につながったのです。
 
以前バンドでメジャーデビューして最初のCDの販売枚数約25,000枚と、クラウドファンディングの支援者約25,000人がほぼ一致している、というのはファンへの「上手なお願い」を裏付ける興味深い、面白いエピソードですね。

 

 

彼女はこれからも人と人の「信頼」を大切にし、ファンにダイブし続けると思います。
人を無条件に信頼して、時に傷つきながらも、心がつながり合う最高の瞬間を何度も味わうために。

 

どうやったら人を無条件に信頼できるのか、今の私にはまだわかりませんが、人との「つながり方」が良くわかった気がします。彼女は人とつながる天才なのかもしれません。

 

最後にアマンダ・パーマーがTEDのプレゼンを締めくくった言葉。

 

分かり合えたら、助け合いたくなる。

 

心に残るプレゼンでした。
それでは。

ABOUTこの記事をかいた人

1980.1.1 東京生まれ YouTubeチャンネル『シンプリィライフ』では、本を参考にしながら無意識の思い込みから自由になる方法をアニメーションで解説しています。本業は古本買取サービス「バリューブックス」のSEOマーケティング担当。