自分のネットショップが無料でつくれるBASEを活用して、自分でハンドピックして、家庭用の電動式焙煎機で自家焙煎したコーヒー豆を販売しています。
カビなしコーヒー豆の販売しています
自分が毎朝飲むバターコーヒーのために「カビなしコーヒー豆」をつくっているのですが、けっこう美味しくできるし自分の体調や集中力にもいい影響があるなと実感しているので、他の人にも味わってみて欲しいなと思ったのがキッカケでした。
いつものように「ちょっとやってみるか!」ってノリではじめてしまい、販売価格は超テキトー。
原価はどれくらいか?送料は?どれくらいのテマヒマがかかるか?宣伝はどうする?などなどほとんど考えもせずにスタートしました。
嬉しいことに最近ちらほらと買ってくれる人が出てきていて、もう嬉しすぎて嬉しすぎて嬉しすぎます。
注文が入った日には、寝る間を惜しんでコーヒー豆のハンドピックしているのですが、でもふと、「これって採算合っているんだろうか?」と立ち止まり、計算した結果、、、
その内容を以下に公開していきますね。
販売価格を160g1200円(+送料300円)にした理由
コーヒーショップで売っているコーヒー焙煎豆の価格を参考にしました。
ぼくが知っている中で一番安かったのは100g300円。
真ん中で100g600円。
高くて100g1000~1200円。
市場価格を参考にして、100g750円(=160g1200円)に設定してみました。
送料は、以前に古本をアマゾンで販売したことがあり「そのときだいたい300円以内で送れたよなぁ」というおぼろげな記憶で決定。
このときコストはそんなに細かく考えず「生豆の原価から考えれば赤字にはならないだろう」という軽い気持ちで販売価格と送料を決定したんです。
コーヒー生豆の原価
さてさてそれでは、コーヒー生豆の原価から見ていきます。
ぼくが仕入れているのは、
①エチオピア イリガチャフ ナチュラル
→ 1kg2200円
②ペルー カハマルカ ウオッシュド
→ 1kg1600円
の2種類。
①は軽井沢にある某コーヒー焙煎機メーカーで、②はネットで購入しております。
ハンドピックをすると生豆は20%減る
仕入れた生豆をそのまま全部使えるわけではないんです。
ウチの基準でカビ豆や欠点豆をハンドピックすると、1kgの生豆は800g程度まで減ります。
だいたい80%の生豆が生き残り、焙煎工程へと運ばれます。
この時点で、①と②は800gあたりの価格となります。
200gのコーヒー生豆を焙煎すると20%減る
次に焙煎です。
実は、焙煎すると質量は減るんです。
なぜかというと、生豆には水分が含まれているので、200℃以上の高温で焼くときに水分が飛ぶから。
これまでの経験上、どの生豆も20%くらい質量が減ります。
200gの生豆を焙煎後に質量を測定すると160gになりますので、この時点で①と②は640gあたりの価格となります。
ここでいったん、ハンドピック&焙煎をした後の質量に修正しておきます。
①’エチオピア イリガチャフ ナチュラル
→ 640g2200円
→ 160g550円
②’ペルー カハマルカ ウオッシュド
→ 640g1600円
→ 160g400円
となりましたね。
光熱費はいくらかかる?
ここまできたらとことん細かく計算していきましょう。
ぼくが使っている焙煎機は電動式で、調べたら最大電力1.3kWでした。
このサイトに書かれている金額を使って計算してみます。
当サイトでは、全国家庭電気製品公正取引協議会で定めている 1kWh単価 27.0円 を計算の為の初期値として採用しています。
1.3kWhでは35.1円。
焙煎にかかる時間は約30分(0.5h)なので、35.1÷2≒18円。
160gの焙煎豆を生み出すのに電気代は約18円かかります。
どうやって梱包するか?
梱包は、注文が来るたびに試行錯誤です。
現時点では、160gのご注文の場合、
ガス抜きバルブ付きの熱圧着で密閉するタイプのコーヒー豆用紙袋に、
80gずつ2つに分け入れてその上からプチプチで包み、
茶封筒で包装して発送しています。
コーヒー豆を封入するガス抜きバルブ付き紙袋は、お店によって値段は違いますがだいたい1枚25~47円します。
ぼくが使っているコーヒー豆用紙袋は計算してみたら1枚30円。なので2枚60円。
茶封筒は1枚10円。
プチプチは、120cm × 120cm を100円で入手。160gのコーヒー豆を梱包するのにだいたい30cm × 30cm 使う。
つまり1回分の梱包でプチプチは25円です。
送料はクリックポストを使って185円
日本郵政の「クリックポスト」を利用しています。
これは、サイズは「長さ34cm × 幅25cm × 厚さ3cm」、重量は「1kg以内」であれば、全国一律185円で発送できるサービスです。
いま現在想定しているのはこのサイズと重量の範囲内。
よほどの大量注文でない限りは、送料は185円です。
コーヒー豆160gの販売・発送にかかるコスト合計額は?
では、合計を出していきましょう。
①”エチオピア イリガチャフ ナチュラル 160g販売するときの原価
コーヒー豆550円(160g) + 電気代18円 + 紙袋60円 + 茶封筒10円 + プチプチ25円 + 送料185円
= 848円
②”ペルー カハマルカ ウオッシュド 160g販売するときの原価
コーヒー豆400円(160g) + 電気代18円 + 紙袋60円 + 茶封筒10円 + プチプチ25円 + 送料185円
= 698円
ここまでの全工程の所要時間は?
ここまで原価の計算をしてきましたが、工程としては、
ハンドピック → 焙煎 → 梱包 → 発送
です。
ハンドピックに1時間
コーヒー生豆をハンドピックして、200g分するのに1時間かかります。
もしかしたら、コーヒー焙煎業界の常識よりも時間がかかっているかもしれません。
が、カビ豆欠点豆を取り除くために一粒一粒手に取って目で確認しているので、どうしても時間がかかってしまうんです。
<参考記事>カビ毒なしコーヒー豆を手に入れるもっとも確かな方法
焙煎に30分
焙煎をスタートさせて最初の10分は放置なのですが、そのあと20分間は焙煎機の前から離れられません。
1ハゼ、2ハゼとコーヒー豆の化学反応を見守り、温度と時間の調整をしないと美味しく仕上がらないんです。
梱包に30分
コーヒー豆用紙袋に入れてシーラーで熱圧着して、プチプチでくるんで、茶封筒に封をして、クリックポストの登録してお客さんの住所を印刷するまで、がんばれば10分で完了です。
発送は仕事に行くついでにポストへ投函
クリックポストならポストに投函できるので便利です。
仕事に行くついでに発送できるので、発送時間のカウントはしないでおきます。
合計所要時間
全工程の所要時間は2時間です。
時給に換算してみたら333.5円だった
ではここで、②”ペルーカハマルカを160g購入していただいた場合の利益を計算してみます。
販売金額は1200+300(送料)で1500円。
BASEを利用する手数料はだいたい売上の9%くらいなので、振込金額は1365円になります。
②”原価は668円。
つまり利益は、
1365 – 698 = 667円
です。
先ほど計算した全工程所要時間は2時間なので、出た利益を時間で割れば、時給が出ます。
②”ペルーカハマルカでは、
667円 ÷ 2時間 = 333.5円 / 時間
①”エチオピアイリガチャフでは、
517円 ÷ 2時間 = 258.5円 / 時間
という結果となりました。
それでもカビなしコーヒー豆を販売しようと思う
時給換算してみて、いろいろと見えてきました。
まず、「お金を稼ぐ」ということが一番の目的であれば、この方法でコーヒー豆を販売するよりも世の中に存在しているビジネスの中で雇われた方が効率がいいです。
でも、コーヒー豆販売は続けようと思う。
理由は2つ。
楽しいから
自分で商売をやるのは大変なこともあるけど、それを含めて楽しいです。
それに、運が良ければお客さんからダイレクトな感想コメントをいただけます。
もちろん、厳しい指摘も覚悟のうえです。
「自分が好きでやっていることが周囲からどう評価されるのか?」は、次のより良いアクションにつなげるための指針になります。
相手が思ったこと・感じたことをダイレクトにフィードバックしてもらえる機会なんて普段めったにありません。
会社で働いていると、職場内の人間関係を変な感じにしたくないこともあって、相手の行動に口を出すことなんて怖くてよっぽどのことがないとしないですよね。
でも実は、自分のやりたいことをより良くするために、他者から見える自分の姿を言ってもらうことってとても大事なことなんです。
そうやって成長していけることも楽しいです。
カビなしコーヒー豆は美味しいし体にいいから
そして、カビなしコーヒー豆は美味しいです。
「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」にも紹介されている通り、体にもいい。
<参考記事>一番大事なのは味ではなく「カビ毒なしコーヒー豆」を手に入れることだった。
全力でオススメできます^ ^
時給に換算してみてよかったです。
まとめ
バターコーヒーを毎朝飲むことが日課になり、できるだけ良質な材料を、できるだけコストをかけずに、自分が楽しみながら用意することを突きつめていった結果、「コーヒー豆は生豆で仕入れて、自分で焙煎する」という答えにたどり着きました。
「コーヒー飲むならできるだけカビの少ないものを!」という欲求がモチベーションになっているので、カビ豆・欠点豆を取り除くためのハンドピックには妥協はしていません。
コーヒーの味ですが、こちらは「酸味がほぼなくて、ビターなコーヒーが好き」というぼくの好みの味に仕上がっております。
こちらは人によって好みが違うので何とも言えませんが、ぼくは美味しいと思っています。
これからも続けていけるように、原価を下げたり、効率を高めて作業時間を短縮する工夫が必要ですが、楽しみながらやっていきます^ ^
それでは、また。