以前、この本を読みました。
この中の一節を引用します。
さかなクンが「いじめられている君へ」という内容を書いた記事(朝日新聞2006年12月2日掲載)が、すごく素敵なメッセージだったんです。
簡単に説明すると、メジナという魚は海にいるときはいじめなんてしない。だけど、狭い水槽に入れると、必ずいじめるメジナといじめられるメジナに分かれてしまう。
じゃあいじめるメジナ、いじめられるメジナを水槽から出したらどうなるか。すると、また別にいじめるメジナといじめられるメジナが出てきてしまうというんですね。
つまり、狭い水槽に閉じ込めると必ずいじめは起きる。
狭い水槽が生まれるプロセス
先日ある人が、
「○○さんのこういうところが本当に嫌で、受け入れられないんだよね」
と「○○さん」がいないところで言っていました。
で、話し相手のぼくはその「ある人」の言葉に共感し、その人の気持ちになって会話をしてしまいました。
振り返ってみて恐ろしくなったんです。
これが、たとえば10人で「○○さん」の話をするシチュエーションの場合。
10人全員が「○○さん」に対して、「ある人」に共感し、同じ嫌な気持ちを持った場合。
さらにさらに、日本人特有?の「同調圧力」が働いた場合。
「狭い水槽」は無意識に、そして簡単に完成します。
狭い水槽に閉じ込められない方法
自分が感じていないのに、目の前の人の感情や言葉だけで自分が感じたように振る舞ってしまうと、たとえ「当の本人」と会っても話してもいなかったとしても、その人を本当に嫌いになってしまいます。
もしかしたらたまたま、「ある人」がわずかに感じた感情に、乗っ取られてしまうんです。
だからまず、
自分自身が直接関わっていない出来事については、「あなたはそう感じたんだね」というスタンスを崩してはいけません。
そして、やっかいなのは「同調圧力」です。
「あなたもそう思うよね?」
と他者を巻き込もうとする力です。
そのときも、自分を乗っ取られてはいけません。
「いまこの人に合わせとかないと後々何言われるかわからない」
「もしかしたら自分も言われるかもしれない」
「仲間外れにされるかもしれない」
という恐怖が襲ってきたとしても、負けてはいけません。
できる限り率直に、「そうは思わない」「わたしは直接そう感じたことがないからわからない」と言葉にした方がいい。
もしそれができなくても、心の中だけでもいいから、絶対に、「あなたはそう感じたんだね」というスタンスを崩してはいけません。
相手の感情に巻き込まれたら、「狭い水槽」に閉じ込められてしまいます。
心の中だけでも守ることができたなら、狭い水槽から脱出する余地は残されます。
まとめ
だから広い海に勇気を持って出ていきましょうっていう話なんです。
と、本の一節では締めくくられています。
相手の感情に自分を乗っ取られないように、気をつけよう。
狭い水槽から脱出して、広い海に繰り出そう。
この本、おすすめです。
それではー!