イライラを解消するためには、自分にウソをつかないこと、今まで刷り込まれてきた常識や価値観を見つめ直すこと、そして「傷ついてもいい」という覚悟をしてみること、ということが挙げられていました。これはすべて、「心を緩める」ことにつながっていきます。
心理カウンセリングってきっと、その人が気づいていない過去や現在のしがらみを見つけて、あたかも本人が見つけたかのように「気づき」を与える、ってことなのかな?なんてことを、この本や、ナイナイアンサーで話している心屋さんを観て思いました。
この本の中では、具体的な事例を挙げて「あーそれあるわー」と思わせてから、その解決法を分かりやすく説明してくれています。
これは言葉だけでは伝わらないと思うので、興味のある方は読んでみて欲しいです。
心屋さんはこの本の中で「リーダーは頼りなくていい」と面白いことを言っていました。
どこかでなんとなく聞いたことがあるフレーズかもしれませんが、これを最終的には心理学的な目線で説明していて「なるほど」でした。「リーダーとはこうあるべきだ!」と肩肘張ってがんばっている人に読んで欲しいと思ったものをご紹介します。
リーダーシップとは?
リーダーシップの考え方って人それぞれかもしれませんが、きっと大半の人が思い描く「ぐいぐいみんなを率いていく人」というイメージを思い浮かべるのかな、と思います。ですが、その価値観に囚われているとリーダーはなんでもできて、意思も判断も正しく決断力もある「すごい人」にならないといけなくなる、と。
それが高じて、みんなに言うことを聞かせて支配しなければと思い始めたりする。
そして思い通りに動かない部下を責め、抑えつけ、反抗されては、「正しさ」で責め、虚勢を張る。
それでも思い通りにならないと、自分の力のなさを思い知らされて心が折れそうになってしまう人もいるかもしれない、と心屋さんは心配しています。
「戦場」に求められるリーダー像は、勇ましく、勇猛果敢で、戦術に長けて、みんなを勝利に導くカリスマ的な感じ。
だけど現代社会では、そういうリーダーは一見組織を強くするように思えますが、やがて「支配」へと変化していきがち。さらに誰もリーダーに意見できなくなり、そのリーダーは孤立していく、と。
ところが「頼りないリーダー」だと、周りは「自分たちがしっかりしなきゃ」と自分たちの意思で動き始めるそうです。カリスマのリーダーがいると、周りの人はその人の指示を待ってしまいます。
そしてこう言っています。本からそのまま引用。
部下を信頼しているリーダーは、部下にどんどん任せていきます。失敗してもいいからやってごらん、と伝え、失敗したらちゃんと尻拭いをしていきます。すると部下はチャレンジするようになります。
こんな人が上司なら、オレももっとがんばれる気がしますよ!(笑)
部下を信頼することができない人は「減る」のが怖い
部下を信頼できない人というのは、大抵「迷惑を掛けられたくない人」だと心屋さんは言います。
迷惑を掛けられることで、自分の評価や評判が「減る」ということが「怖い」から任せられない、と。
ん〜そんな気がします。非常に納得。
つまり、会社や人からの評価が基準であり、自分の中の基準で目の前のことを判断できていないということかな?と読んでいて思いました。
失敗が許されない。それは、その程度で減ってなくなってしまうぐらいしか、自分の中が満たされていないからなのです。自分を信じられないから、部下も信じられないのですね。
上司・部下の話とは違いますが、こういうようなことは自分にも経験があります。
何か新しいチャレンジをしようとするときに、「失敗したらみんなに何て言われるか…」「恥ずかしい思いをするんじゃないか…」なんて思い始めると怖くて行動できなくなってしまい、何か「やらない」言い訳を探し始めます。これは人の評価が「減る」ことが怖いということ。その程度でなくなってしまうくらいしか自分の中が満たされていない、ということなんですね。
部下を信頼することができる人は心が安定している人
部下を見守るリーダーというのは、一見頼りなく見えても「失敗してもいい」「怒られてもいい」「損してもいい」「負けてもいい」と思っていて、つまり「心が安定している」人なのだと言っています。
「そのぐらいで自分の価値は下がらないから、いくらでも失敗していいよ、責任は自分がとるぜ!」って言えてしまう、大きな器の持ち主なんですね。
器の大きさとは、つまり自分の心が満たされているか、自分に自信があるか、自分のことを好きか、ということなんだろうなって思いました。
そんな大きな人間になりたいよね。
以前読んだブログに書いてあったシビれる略語「OAT(O=オレが A=謝っとくから T=突き抜けろ!)」はまさに器が大きくなきゃ言えないですね。
詳しくはこちらのリンクを読んでみてください。
日本を覆う「NDS症候群」—あなたの職場は大丈夫? – ihayato.書店 | ihayato.書店
そして最後にこんな言葉。
決断が遅くてバカにされても、いい指示ができなくても、部下がミスして自分が怒られても、自分の価値には変わりないという、揺るぎない自信を持てるといいですね。そうなるとイライラも少なく、みんなに大切にされるリーダーになっていけると思います。
これまでの価値観にとらわれず、自分に自信を持って行動する。
これは目の前の世界を変えていく、素晴らしい考え方ですね。
心を緩めることで、自分が「できること」「やりたいこと」はどんどん広がってく。
そんな気がしました。
それでは。