家に帰ってから、やらなきゃいけないと思いながらもまったく動く気にならずにダラダラしてしまった経験ってありませんか?家事とか、毎日の習慣になっているはずのこととか、子どもに優しくするとか、もしくは将来のための勉強とか。
「やらなきゃ、やらなきゃ」って思いながらも、やらない。もしくは、「やってはいけない」ということをやってしまう、、、私は何度もそんな自分に出会ってきました。
そしてその度に、「今日は仕事が忙しかったから疲れているからしょうがない」「今日やらなくても大丈夫」「これはオレの仕事じゃない」と、やらない理由をひねり出して自分を正統化してきました。自分の意志の弱さを嘆いてしまいます。
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では、そういう問題はどうしたら解決できるのか?その答えにたどり着くためには、まずは人間が進化する過程で身に付けた脳の機能について理解することから始めましょう。
またまた以下の本に書いてあることを引用しながら、書いていきます。
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前頭前皮質があなたをコントロールする
まず理解しておくべきことは、あなたをコントロールしているのはあなた自身の脳みそにある「前頭前皮質」である、ということでしょう。以下本から引用。
進化の歴史が始まって以来、前頭前皮質の主な役割は体の動きをコントロールすることでした。歩いたり、走ったり、手を伸ばしたりーいわば自己コントロールの原型みたいなものです。
人類が進化するにつれて前頭前皮質は大きくなり、脳の他の領域との連携もよくなりました。今や人間の脳に置いて前頭前皮質の占める割合は他の生物に比べて大きくなっています。
前頭前皮質が大きくなるにつれ、新しいコントロール機能が増えました。注意を払うべきこと、考えること、そして感じることまでもコントロールする機能です。これによって、人間は行動をコントロールできるようになりました。
この進化は、人間特有のものだそうです。人間は他の動物とは違い、やってはいけないこと、やらなければいけないことを認識し、自分をコントロールすることができる動物なのです。
ですが、太古の時代に役に立った本能というのも脳には残っているようです。というか皮肉なことに、衝動と本能のシステムがすでに存在するところに、自己コントロールのシステムが付け加えられたそうなのです。そのおかげで、私たちは自己コントロール力を使って本能と戦わなくてはならな場合もあるというのです。
例えば、こういうこと。本から引用。
かつて食料が乏しく、体脂肪を蓄えることが命の保証となった時代には、甘いものに目がないおかげで生き延びるチャンスが増えました。しかし、現代では食べ物があり余っています。太っていることは命を保証するどころか健康上のリスクになります。長い人生を生き抜くには、魅力的な食べ物に手を出さない方が重要になっているほどです。なのに、遠い祖先の役に立っていたという理由で、私たち現代人の脳には、脂肪と糖分を求めてやまない、太古からの本能がいまだに備わっています。
前頭前皮質の持つ力
上に書いたように、前頭前皮質は本能を抑える自己コントロール力を持っているのです。前頭前皮質がなければ、持っている本能のままに動いてしまう。「やってはいけない」とか「あれをやらなければいけない」とか、それすら思わないということです。人間ってスゴイですね。
さらに面白いのは前頭前皮質はおもに3つの領域に分かれていて、それぞれが「やる」「やらない」「望む」の働きを受け持っているということ。
前頭前皮質の上部左側の領域は「やる力」をつかさどっています。そのおかげで、退屈な仕事や難しい仕事、あるいはストレスの多い仕事でも、ちゃんと着手してやり続けることができます。
反対の左側は「やらない力」をつかさどっており、衝動や欲求を感じてもすぐに流されないようにします。そのおかげで、運転中に携帯のメールを見たくなっても我慢して、わき見運転をせずにいられるのですから、ありがたいことです。
これら2つの領域は、ともにあなたの行動をコントロールしています。
3つめの領域は、前頭前皮質の中央の少し下のほうに位置しており、あなたの目標や欲求を記録する場所です。これによって、あなたの「望むこと」が決まります。この部分の細胞が即座に反応すればするほど、行動を起こしたり、誘惑をはねのけたりするモチベーションが上がります。前頭前皮質のこの領域は、あなたが本当に望むことを忘れません。たとえ脳の残りの領域が「食べちゃえ!飲んじゃえ!吸っちゃえ!買っちゃえ!」と叫んだとしても、忘れたりしないのです。
つまり、前頭前皮質こそが、私たちを望む方向へ導いてくれるということなのです。
前頭前皮質が働くために必要なエネルギーとは?
ですが、脳みそも動くためのエネルギーが必要です。本能と自己コントロールのせめぎ合いを繰り返すと、さすがに前頭前皮質もエネルギーがなくなり、やる力・やらない力・望む力を発揮できなくなるようなのです。これが「意志力がなくなった」状態ということ。これは困る!
脳みそのエネルギー源はご存知の通り「糖分」ですね。つまり血糖値が意志力のエネルギーの源なのだそうです。
実際に普通の砂糖いりのソーダを飲んだ人と、カロリーゼロのダイエットソーダを飲んだ人では、自己コントロールが正常にできるのは前者である、という実験結果が出ているそう。糖分は意志力を向上させる働きがあるようです。
また逆に、血糖値が低いと難しいテストを投げ出したり、機嫌が悪くなって他人に当たり散らしたりする、という実験結果も出ているとか。
糖分を取って血糖値を上げると、意志力が上がるというのは間違いなさそうです。意志力と血糖値には強い因果関係があるということ。
こんな話を聞くと、甘い物好きな人はハッピーな気分になってしまいすよね。
ですが、糖分をたくさん取っていれば常に意志力を満タンにしておけるのか?というとそんなおいしい話でもないようです。
糖分は長期的に見ると自己コントロールの大敵
確かに糖分をとれば一時的に意志力はアップするようですが、長い目でみるとやたらに糖分を取るのは要注意だそうです。
ストレスの多い時期にはお手軽な加工食品、とりわけ脂肪分と糖分が高くてハッピーな気分になれる食べ物に手を出しがちです。
しかし、そんなことをしているうちに、やがて自己コントロールがまったくきかなくなります。血糖値が急に上がったり下がったりすると、体と脳が糖分をきちんと消費できなくなります。血糖値が高いにも関わらずエネルギーが低い状態になってしまうのです。
「意志力のために!」なんてバカみたいに甘いもの食べてたら、極端な話人間が人間であるための力を放棄することにつながるということです。これは怖い!
意志力を保ち向上させるためにできること
この本の中では、「お菓子の代わりにナッツを食べる」ということをススメています。
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もっと良い方法としては、体に持久性のあるエネルギーを与えてくれるような食べ物を摂取することです。多くの心理学者や栄養士が推奨しているのは「低血糖食」、すなわち、血糖値を一定に保つための食事です。
低血糖食品とは、脂肪分の少ないタンパク質、ナッツ類、豆類、食物繊維の豊富な穀類やシリアル、そしてほとんどの果物や野菜など、基本的には素材のそのままの状態が保たれていて、糖分や脂肪や化学物質などの大量の添加物が入っていない食品です。
このような食事に変えるには意志力が必要かもしれませんが、ちょっとした工夫をすることで(例えば、仕事がある日は朝食を抜いたりせず、栄養たっぷりのヘルシーな朝食をとるとか、おやつは甘いお菓子の代わりにナッツにするとか)、そのような変化を起こすのに使った意志力を補って余りあるほどの見返りがあなたを待っています。
ここまで調べてきてわかることは、やる気をコントロールして目的を目指したり目標を達成したりするためには、まずは脳みその働きを理解し、血糖値をコントロールすることが重要である、ということです。
さらにもっとシンプルにすれば、
なりたい自分になるために、低血糖食を心がける
と言えるでしょう。
んー、、、食事についてはまっっったく無関心な私でしたが、これは考えなければいけない問題だと思いはじめました。糖尿病の予防にもつながるし、これからは低血糖食の方にアンテナを張ってみようと思います。
あなたの人生の文字盤が見つかることを願っています。
それでは!