【本】家族との大切な時間を取り戻すために「脱会議」する方法。

 

 
振り返ってみれば、やること自体が「目的」になってしまっていて、「結局なんだったのか」と思う会議を経験したことのある人は多いのではないでしょうか?
「会議がある」と言えば、それだけで仕事として認められてしまう暗黙の了解のようなものがあります。フタを開けてみればなんてことはなくて、ただみんなで集まらないと不安だから、毎月やっているからやらないといけない、というような雰囲気が漂っている会議が多い気がします。
 
medium_2311309574
photo credit: jonas_k via photopin cc

 

以下、本書より引用。

 

会議のために資料を作り、会議のために打ち合わせをして、会議のために根回しをする。そして会議が増えすぎて人を増やし、やがてその人たちが新しい部署を作る。その部署の構成員が「作業を効率化させたい」と問題提起をして、さらに会議をし、新しい情報システムを導入しようと検討会議が始まる…。
まさに「会議地獄」。

 

 

今目の前で行われている会議の必要性を考えないというのは危険なことです。
また、エライ人が集まる会議の場合、不要じゃないかと思っても口に出せずに、かといって出席しないと目を付けられるからとりあえず出席する、みたいなのがすべての悪の根源のような気もします。知らず知らずのうちに、思考停止に陥り、知らず知らずのうちにその文化を浸透していくのが一番危険です。
無駄な会議は、「時間」という、取り戻すことのできない本当に貴重な資源を、垂れ流す行為に他ならないのだということを意識しなければなりません。
 
本書で提唱している「脱会議」の目標とは、

 

会議の「数」と「時間」と「参加者」を2分の1に削減し、「会議コスト」を90%削減すること

 

であり、その結果、

 

会議がなくなれば、その分時間をお客様のために使うことができます。部下のために使うことができます。そして家族のためにも使うことができます。これほど良いことはありません。

 

ということです。
 
この本には、「脱会議」の具体的なメソッドが事例を踏まえて書いてあります。
ここでは、著者が言う「無駄な会議」を取り上げてみます。自分自身に当てはめて、自分が開催している会議、他者が開催する会議でどれだけ無駄があるか確認してみるのも面白いと思います。
 

スポンサードリンク




 

 

4つの「無駄な会議」とは?

 

<イベント会議>

 

定期的に開催する、全国の支店から人が集まるような、代々続いている「イベント会議」は、メインは会議ではなくその後の「懇親会」にある。この手の会議は開催に莫大な費用が掛かるため、会社の業績が悪化すれば、すぐに廃止の対象となる。

 

「やってもやらなくても同じだった」と、取りやめになって気づく。これが「イベント会議」。

 

 

<進捗会議>

 

まさに「キング・オブ・会議」。会議の代名詞とも言える存在です。ただ進捗を確認するために人を集めるのは、私に言わせれば「無駄の中の無駄」です。この会議の問題点は、出席者の多くが、会議に出席しなければならない理由をわかっていないということ。

 

「会議がなければコミュニケーションが取れない」というのがそもそもの間違いであり、「直接聞いた方が早いし記憶に残る」的なことも、時間を貴重な資源だと考えずに、努力を怠っているだけ。記憶になんか残らないし。
進捗はササッとメールで報告できるし、必要あれば資料兼報告書になるものを作れば一石二鳥です。会議を開催しなくても、目的を達成するための方法はいくらでもあると思います。

 

 

<情報共有会議>

 

成功事例や失敗事例の報告、新製品の紹介など、とにかく人が集まって情報を伝達するという会議が「情報共有会議」です。どちらかというと、主催者の自己満足で終わっていることが多いと言えます。

 

「選択的認知」という言葉があるように、情報の受け手は無意識のうちに自分が認知する物事を選択している、と言います。重ねて、記憶力の問題から考えても、情報共有会議をしてそのすべてを覚えている人などいません。これもITを使った効率の良い情報共有方法を検討することで必ず無くせる会議でしょう。

 

 

<プロジェクト会議>

 

社内横断のプロジェクトをやたらとしたがる会社があります。通常プロジェクトの構成員はいろいろな部署から集められ、クロスファンクショナルな編成チームとなります。そのためか、プロジェクトが増えると、とにかく会議が多くなるのです。通常の業務と異なるため、「予算が確保されない」「上司や同僚から評価されづらい」「時間外労働が多くなる」といった、モチベーションが低下する要因もたくさんあり、メンバーに選ばれても参加しようとしない人も出てきます。

 

部署をまたがる横断的な活動を、本位ではなく「やらされる」結果、会議という大義名分で集まるしかコミュニケーション方法がない、という結果になるのだと思います。主催者がよっぽどのリーダーシップ・マネージメント・ファシリテーション能力を持っていないと、あるいは個々の能力とモチベーションがよっぽど高くないと、その会議も本当にただ集まるだけの「無駄な会議」に成り下がるのは容易に想像できます。

 

 

感想まとめ

「脱会議」の具体的メソッドは本書を読んでもらうこととして、この本で私が学んだ考えるべき重要なことは、
 

○「会議」は重要だ、という変な固定観念を持たないこと
○何に一番時間を費やしているかを知ること
○そのために何を犠牲にしているのかを知ること
○「なぜ」会議を開催するのか?「Why」を明確にして望むこと
○不要だと感じた会議は、どうすればやらなくても目的を達成できるか考えること

 
これらを考えて「脱会議」を実践すれば、大切な時間も、大切なエネルギーも、もっと意味があって価値のあるものに使えます。

 

「会議が多いから仕事が回らない」などと言い訳をしている暇があったら、どうすれば会議をなくせるかを考えて行動に移すことが大事だということです。とにかく行動する!やっぱりこれが基本ですね。(関連投稿:「とにかく行動する!」自分を奮い立たせるために行動力の大切さについてまとめてみた)

 

 

会議を減らして、残業を減らして、自己投資や家族のために使う。
これは理想の形ではないでしょうか?
「時間が生まれた分、仕事しろ!」なんていう上司がいたら、その人にやってもらいましょうよ。そんなこと言う人は、仕事が大好きで、会社のために人一倍献身的になれる人なんでしょうから。
 
もちろん、もっと仕事をすることを否定しているわけではなく、自分の好きなことのために使えばいいと思います。「脱会議」をすればどんな未来が待っているか、楽しい想像をしながら取り組むのがいいのかな~と思います。

 

時間はすべての人に平等であり、一度使ったら取り戻せない本当にかけがえのないものだと、最近強く実感しています。
時間を垂れ流すのをやめて、時間を本来あるべきこの「手」に取り戻す。
かえがえのない大切な時間を、できるだけかけがえのない大切な家族と過ごすために使えるといいですよね。
 
それでは!
 

 

ABOUTこの記事をかいた人

1980.1.1 東京生まれ YouTubeチャンネル『シンプリィライフ』では、本を参考にしながら無意識の思い込みから自由になる方法をアニメーションで解説しています。本業は古本買取サービス「バリューブックス」のSEOマーケティング担当。