こんにちは!
脳梗塞で寝たきりの親父と話をして、「すべて理屈なのである」という言葉に衝撃的な納得をしてしまった大野です。
この前東京に行ってきたときに、2000年くらいに脳梗塞で倒れて、今は病院で寝たきり介護されている親父に会ってきたんです。
親父はすでに言葉をうまくしゃべれないので、しゃべることができなくなった脳梗塞の人に必須の「あいうえおボード」で指を差してもらいながらコミュニケーションをしました。
この「あいうえおボード」でのコミュニケーション、以外と楽しいんですよ。
コックリさんみたいで、なんか占ってもらっている感じになります。笑
カミングアウトしてみた
「オレ、この前会社辞めたんだよ」ということは、母親から伝わっているはずなのだが、もう一度言ってみた。
すると、めっちゃびっくりした顔をしていた。
どうも記憶を維持する力が弱いようだ。
[た・い・へ・ん]
[く・ろ・う・す・る] [お・か・ね・は?]
とボード指差して言われた。
そして、
[や・め・た・ほ・う・が・い・い]
だって。笑
「いやいや、もう辞めちゃったし」
「つーか自分だって会社辞めて自営業してたじゃん」
とツッコミを入れたら笑っていた。笑
[ふ・つ・う・に・い・き・た・ほ・う・が・い・い]
だそうだ。
親父はお金持ちの坊っちゃまだったので、大切に育てられ、お金の苦労なんて一切せずに生きていた。
ぼくは子どもながらに、親父はお金使い荒いなと思っていたし、かなり好き勝手にハチャメチャやっているイメージがあった。
だから「案外フツーのことを言う人なんだなぁ」と思ったりした。
バブル崩壊して大変なことになってしまったという自身の経験から出てきた言葉なのかもしれない。
親父は後悔しているのか?
「じゃあお父さんは独立して苦労して、今こんな風になっているからって後悔してるの?」と聞いてみた。
そしたら力強くうなづいていた。
「オレは、お父さんがここにいて嬉しいし、後悔する必要なんてどこにもないと思うけどなぁ……」と言ってみた。
そしたら笑って
[あ・り・が・と・う]
と指差した。
なんかちょっと、泣けてきた。
会社を辞めて良かったことを説明してみた
会社を辞めてから出会った人ややり始めたことを説明してみた。
そして、「会社を辞めなければ出会えなかったことがあって、出会えなかった人がいて、気づかなかったことがたくさんある」と説明したら、
[り・く・つ]
[り・く・つ]
[り・く・つ]
[す・べ・て・り・く・つ]
と、何度も繰り返された。笑
だから、
「いやいや、自分だって独立して大変な思いをして後悔してるとか、理屈じゃん!」
とツッコミを入れたら、また笑っていた。
すべて理屈なのである
「すべて理屈なのである」
親父の言っていることは正しいと思った。
そう。すべて理屈だ。
事前に考えて言葉にしたり、後から考えて言葉にしたり、付け足したり加えたりして。
正しさを証明しようとしたり、相手をコントロールしようとしたり説得したり、自分が動き出すか停止するための言い訳を探したり。
すべて、理屈なのである。
でも、そんなことはどうだっていいじゃないか。
動き出すときに、理由や理屈はいらないし、自分を正当化するための言葉はいらない。
ただ、「絶対に良くなる」とか「こうしたらカッコイイ」と思ったら、感じたままにとにかく動き出してみればいいのではないか。
言葉は後からツールとして使えばいい。
理屈はあとからついてくるものなのだ。
まとめ
すべて理屈なのである。
そんなの必要ない。
動け。
親父はそんなことを伝えたいのではないか?と思った。
ひとりではベッドの上で動くことすらままならない親父が指先から放った言葉に、これまでにない説得力を感じました。
それではー!