こども映画教室に参加すると必ず見つかる「3つの宝物」。

 
みなさんこんにちは!大野です。

突然ですが皆さんは、
「子どもの中に眠っているはずの宝物は、どうすれば見つかると思いますか?」

と聞かれたら何と答えるでしょうか?

ぼくは迷わず「こども映画教室に参加させる」と答えることにしました。

 

2016年8月18,19,20日と、信州上田で開催された「こども映画教室」に、子どもサポート役として参加。

信州上田をロケ地として、子どもたちだけでストーリー作り・役者・撮影・編集・ポスター制作をし、1本の映画を上映させるワークショップでした。

そこで起きたことから、感じたこと・得たものは、子どもたちにとってかけがえのない経験になったのではないかと思います。

それでは、こども映画教室@信州上田2016の体験と、こどもの中に眠っていた3つの宝物を見つけたお話を書いてみますね。

 

こども映画教室とは?

そもそも「こども映画教室」ってなに?というところから。

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こども映画教室」は、「子どもと映画のアカルイミライ」を目指し、2004年に金沢で始まった体験型ワークショップです。

映画の仕組みを理解するために、子どもたちだけで映画を制作し、映画館で上映するんです。

「チームで1本の映画を制作する」ということは、どんなことが起こると想像しますか?

そこには社会に出たときに大切になってくることの多くがつまっています。

「ホンモノ」の映画監督や、映画人、映画制作に関わる人を講師に迎え、3日間かけて「チームで1本の映画を制作する」という体験をする。

その中で、子どもたちは自分の中に眠っている力を発揮していきます。

そんなワークショップを開催しているのが「こども映画教室」なのです。

 

なぜ信州上田で開催されたのか?

「こども映画教室」は、現在全国でワークショップを開催しています。

「こども映画教室@信州上田」は、信州フィルムコミッションが設立15周年を迎える記念イベントとして、「こども映画教室」を上田でできないか?という話から始まったもの。

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信州フィルムコミッション代表の原さんの、上田が好きで上田を多くの人に知ってもらいたい!という気持ちが今回のワークショップ招致につながりました。

そして、原さんの気持ちに応えて多くの方々が動いているのが判明しました。

上田駅近くに最近オープンしたルートイングループが特別協力。

その他にも、上田市にあるバリューブックスプチホテル・ゾンタック上田交通サングラフィカ長門運輸別所温泉旅館組合臨泉楼柏屋別荘が協賛。

上田市にある多くの企業・団体がこのイベントに協力していました。

しかも当日は18社ものマスコミ関係の方々がベースキャンプのハナラボウンノに押し寄せていたんです!

「こども映画教室」を主催している代表の土肥さんは、「こんなにマスコミ関係の方々が集まったのははじめて!」と言っており、上田市全体が巻き込まれ、注目度が高かったことがうかがえます。

「こども映画教室@信州上田2016」
上田ではたくさんの取材が入りました。みなさん、とてもこどもたちの活動に配慮して取材をしてくださいました。
信州民報さんと、信濃毎日さんの記事です。

こども映画教室さんの投稿 2016年8月21日

 

講師は沖田修一監督

講師を務めたのは、「モヒカン故郷に帰る」「キツツキと雨」の沖田さん。

沖田さんは、自分が14歳の時に撮影・編集した34カットある5分くらいの映画を子どもたちに見せた後、こんなことを言っていました。

「映画は120分ある。映画ってすげーな!ってそのとき思ったんだー」

沖田さんは今回のこども映画教室で、「自分が子どもの頃に感じたような、映画を撮る楽しさを感じてほしい」と何度も言っていました。

楽しくて、楽しくて、楽しくて、続けてきた映画制作が、沖田さんの今を作っています。

失敗や成功を繰り返しながら、いくつものカットを積み重ねてできる映画のように。

生きていくことも、一瞬一瞬にこだわり、良い時間を積み重ねていくこと。

「映画を作る」ということは、その人の生き方にも影響を与えるんだなと、沖田さんに触れて感じました。

 

こども映画教室3日間で何が起きた?

4チームのうち、ぼくは赤チームのサポート役で参加。

なのでどうしても赤チームの話に寄ってしまうことをお許しください。

こどもたちは最初は戸惑っていました。

知らない場所、知らない人、知らない子ども。

何が始まるのかもわからず、放り出されたような状態。

でも、「なんて呼ばれたい?呼ばれたい名前を書いてね。」とか、「どこから来たの?」「何の映画が好き?」とか話をしているうちに、だんだんと笑顔が増えてきて安心しました。

 

1日目

1日目は、「とにかく何でもいいから撮ってみよう!」ということで撮影に慣れる・楽しむことからスタート。

ランチの後は、映画の1シーンを撮影してみよう!ということで、上田の街へ飛び出しました。

場所は?どんなシーンを撮影する?全部子どもたちだけで決めて動きます。

大人はただついていくだけ。

最初は子どもたちだけで撮れるかな…と心配でしたが、子どもたちだけで全然できちゃうんですよ、これが。

そして、自分たちで考え、納得がいくまでやり直すんです。赤チームは1シーンを10テイク撮り、ようやく納得笑。

でも文句を言う子はひとりもおらず。

楽しんでいるときの子どもの「やる気」はハンパねーな!と感動しました。

 

こども映画教室@信州上田2016
【赤チーム1日目】

1日目は上田駅で撮影。

とある理由で上田に到着した、「赤の他人の兄弟」が駅の階段を下りる1シーンを撮りました。

・映像がぶれている!
・声が入っちゃった!
・兄弟の歩くタイミングが…

こども映画教室さんの投稿 2016年8月18日

こども映画教室@信州上田2016
〈ピンクチーム1日目〉

出逢った選ばれし6人の子供たち。
ぎこちない雰囲気で始まりました。
子供もドキドキ
もちろん我々大人もドキドキしていました。

なんとなく
さらっと過ぎた午前中。

みんなでお昼を…

こども映画教室さんの投稿 2016年8月18日

2日目

2日目、まずは上映会をする「上田映劇」に行きました。

今年で100周年を迎えるという上田映劇の舞台に上がった子どもたちは、どんなことを感じたんでしょうかね。

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その後は丸1日上田の街で撮影。

子どもたちは1日目に撮った映像からストーリーを膨らませ、その日に撮りたいシーン、行きたい場所を決めて、行動スタート!

ここで大人が気になってしまうのは「時間」です。

電車の時間、保護者の方々が待つベースキャンプに帰る時間、、、撮影も大事なんだけど、でも、、、と焦ってしまいます。

でもわかったのは、「ギリギリまで粘って撮ったシーンには神が宿ります」ということ。

自然体の演技、神がかったアドリブのセリフ。

子どもたちの中に眠っていた「才能」が発揮され、最高のシーンが撮れたと思います。

ハナラボウンノに帰る途中、ある女の子に、「時間遅くなっちゃったね」と話すと、「時間に遅れないことよりも、良いモノが撮れる方が大事なんじゃないの?」と言われ、マジで勉強させていただきました笑。

「こども映画教室@信州上田2016」
<赤チーム2日目>

【諦めなければ良い絵が撮れる!】
赤チーム2日目は「なぜ赤の他人の兄弟は上田に来たのか?」を考え、「どこに行ってどんなシーンを撮影するのか?」を決める話し合いからスタートしました!…

こども映画教室さんの投稿 2016年8月19日

「こども映画教室@信州上田2016」
<青チーム2日目>
2日目は他チームの映像の上田映劇で見たあと、本撮影のためのロケ地探し。
数カ所を巡った末、最高のロケーションである月窓寺に決定しました!
厳かな雰囲気の中で自然とこどもたちも集中でき…

こども映画教室さんの投稿 2016年8月19日

 

3日目

最終日は撮った映像を編集したり、ポスターを作ったりと、上映会に向けての準備。

ここでも子どもたちは才能を発揮します。

素敵な絵を描いたり、即興で作曲をしたり、大人をうならせる編集をしてみたり。

時間が迫る中、笑顔で、でも真剣に、楽しみながらやってのけてしまう子どもたちを見ていて、上映会前に感動して泣きそうでした笑。

上田映劇で上映された4つの映画は、どれもまったく違うタイプの個性あふれる作品。

観ている人を幸せな気分にさせてくれるストーリーもの、編集のワザを使い観る人を楽しませたエンタメもの、見た人の心に何かを残すホラーもの、歴史を作り変えた斬新でかっこいい時代劇。

3日間の子どもたちのワークが、映画として結実し、多くの人の目に触れる感動。

3日間ずっと笑顔の子どもたちでしたが、やりきったあとの「笑顔」が一番素敵でした。

 

こども映画教室で見つけた3つの宝物とは?

こども映画教室での映画制作で、子どもの中に眠っている3つの宝物を見つけました。

それは、「やる気」と「才能」と「笑顔」です。

子どもはみんな、「やる気」と「才能」と「笑顔」を持っています。

でも、もしかしたら日常でそれら気づく場面は少ないのかもしれません。

こども映画教室では、子どもたちは3日間ずっと「やる気」と「才能」と「笑顔」をフルパワーで放出していました。

今回こども映画教室のスタッフとして参加して、「子どもの中にはこの3つが必ず眠っている」という確信が持てたし、それを引き出す方法を知ることの大きな意味を感じましたね。
 

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こども映画教室が存在する意味

ぼくは自分が関わったチームでこんな子どもたちに出会いました。

・緻密で繊細な美しい絵を描く子
・その場における「ベスト」を的確に捉えられる子
・はっきりと自己主張できる子
・アドリブを自然体で演じられる子
・場の状態を察知して協調できる子
・自分なりに工夫し機材の使い方がどんどん上達していく子
・素直に純粋に目の前のことを頑張れる子
・映画のシーンにぴったりの作曲ができる子
・疲れていても一言も文句を言わず真剣に演じる子
・話し合いの中心になり話をまとめられる子
・幸せなワンシーンを絵で再現できる子
・お兄さんお姉さんにものおじせず自分の意見を言える子
・自分の役割をしっかり理解して演じる子
・機材を大切に扱える子
・移動中文句を言わずずっと機材を運んだ子

書き始めるとキリがないのですが、最初は不安そうにしていた子どもたちの中には、こんなにたくさんの「可能性」が眠っていました。

こども映画教室は子どもの中に眠っている可能性を引き出す存在なんですね。

でも、これでもたぶんまだ一部分。まだまだ、たくさんの可能性を秘めているハズです。

大人が、いろんな角度から、もっともっと子どもの中に眠っている可能性を引き出せたら。

どんな未来になるのか、想像するとワクワクしてきませんか?

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こども映画教室が大人に与える影響

こども映画教室は、こどもの可能性を引き出すだけではなく、大人にも良い影響を与えます。

初心に帰る

子どもたちの中に眠っている力に気づき、間近で目撃するという経験は、自分の中に眠っている力を目覚めさせる呼び水的な役割を果たします。

今回のワークショップで、沖田監督も「昔のことを思い出した」「初心に返れた」というようなことを言っていました。

自分は何がしたいんだろう?
どんなことが好きだったっけ?
今は何をしているんだろう?

というようなことを振り返らせてくれます。

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「必要ない人なんていない」ということに気づく

ぼくがサポートしたチームで、急遽、前日に参加が決定した子がいました。

最初は、なんだかよく分からない場所に連れてこられた…という感じだったんです。

その子は最初に呼ばれたい名前を名札に書く、ということもなかなかできず、口数も少なく心配でした。

でもそのうちみんなに打ち解けていき、カメラを担当し始めて。
撮影はその子なしではできない状態になりました。

この子がいなかったら、この映画は撮れなかったんだろうな…全然違う映画になっていたんだろうな…と。
つまり、誰かひとりでも欠けていたら、こんな素敵な映画は作れなかったということ。

 

世界には必要のない人なんていなくて。
ひとりひとりが世界に必要な存在なんだということを、子どもたちを見て学びました。

 

その子が最後にポツリと言った言葉。

「こども映画教室、次はいつやるの?」

この子が参加できた奇跡に、感謝します。

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尊敬できる大人に出会える

こども映画教室の土肥さんは1日目の前夜、2時間しか寝ていないと言っていました。
こども映画教室がまっさかりの時期は、よく眠れないのだそうです。

寝てても「あ、あれやってない!」と思い出して起きてしまい、夜中の3時にメールを書く、なんてこともあるそう。
そんなに大変な思いをしてもやりたい!やろう!と思えることだということ。

信州フィルムコミッションの原さんもそうです。準備や対応などで前日はほとんど眠れなかったんじゃないかと思います。それでも、事務局として最高の舞台を子どもたちに用意したということ。

すごい人たちですよね。尊敬します。

 

まとめ

3日間という限られた時間の中で。
信州上田という地で。
映画に対する熱い気持ちを持った大人と、
それに反応して動いた大人たちと保護者の方々、
参加したいと言ってきてくれた子どもたち。

そして、「時間の制約」と「空間の力」と「関わる人の想い」が凝縮された作品が最後に完成。

子どもたちの中に眠っている3つの宝物「やる気」「才能」「笑顔」は、こども映画教室によって見つけることができます。

そして、子どもたちだけでなく、大人にとっても素晴らしい体験になる場所。

こども映画教室があなたの街で開催されるときは、またとないチャンスです!
是非参加してください。

子どもにも大人にとっても、最高の体験になること間違いなしです。

こども映画教室webページ

信州フィルムコミッションwebページ

それではー!

 

ABOUTこの記事をかいた人

1980.1.1 東京生まれ YouTubeチャンネル『シンプリィライフ』では、本を参考にしながら無意識の思い込みから自由になる方法をアニメーションで解説しています。本業は古本買取サービス「バリューブックス」のSEOマーケティング担当。