さらっと読めて、それでいて刺激的で勉強になる本だった。
ちょっとまとめておこうと思う。
著者:成毛眞さんのプロフィール
成毛眞ブログ
超並列読書術のススメ
これからの日本は、「1億総中流時代」が終わり、高所得階層と低所得階層に二極化して中間層である「庶民的」という考えが消滅すると言われている。
この本では庶民から脱するための読書法を紹介している。
まず、「みんなと同じでいい」という考え方を捨てる。みんなが行く場所には行かず、みんなが食べるものは食べず、みんなが読む本は読まない。それを徹底すること。
そして、もっとも生き方に差がつくのが「読書の仕方だ」と著者は言う。
読書経験は人生を豊かにする。
具体的には「本を同時に10冊読むこと」、その中で「1日に多岐にわたるジャンルの何冊もの本に目を通すこと」が大切だと説明している。
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なぜ1日に何冊もの本に目を通すのか?
・全く方向性の異なるアイデアが出てくる。
・他の人が意識していない素材に新しいアイデアのヒントが隠れている。
・アイデアの「引き出し」を増やしていけば、アイデアの感度が高まるので情報を集めやすくなる。
ここで重要だと思ったのは、
アイデアはなんのインプットも無しでパッと思いつくようなものではない、ということと、インプットした情報を自在に組み合わせて「今までにないアイデア」を生み出すことができるということ。
そういう意味で
「超並列」読書術は、これからの時代を生き抜く上で必須な「アイデア力」を飛躍させる一番いい方法なのだ。
と言っている。なるほど納得。
本は最後まで読む必要はない
これは私にとってかなり衝撃的だった。書いてあることを引用すると、
大抵のひとは、1冊の本を読み終えるまで次の本には手を出さないだろう。だがそうして1冊1冊すべての本を丁寧に読んでいたら、一生のうちに読める本は何冊になるだろう?人生は短い。しかも転職が許されるのは遅くても40代までであり、仕事が生活のレベルを決める。
生活のレベル云々の話はまあいいとして、私は著者の言うように1冊の本をしっかり理解しならが丁寧に読んで、その1冊が終わるまで次の本に行けない人間だ。そして、たくさん読みたい本があるのになかなか次の本に行けない自分に不甲斐なさを感じていたのだ。
ここを読んで私の「本を読む」という意識が劇的に変わった気がする。
1冊1冊を丁寧に読み込んでいくのではなく、自分にとって必要な情報以外は読み捨てていくつもりで望まなくてはならない。
途中で読むのをやめても罪悪感を抱く必要はない。読書は授業で使うテキストを読むのとは違うのだ。自分にとって有益な情報が手に入れば、それでいいのである。
知らず知らずのうちに「本を読む姿勢はこうあるべき」みたいにして型にはめていた自分に気がついた。
これはかなりな「アハ体験」だった!(笑)
ちなみにこれは参考までに。
プロブロガーのイケダハヤトさんが言っていた言葉。
本の中での「核心」はやっぱり5%ぐらいなんです。裏を返すと、書中の95%は「核心」にいたるためのたとえ話や前置き、解説ということです。それらに読む価値がないとは思いませんが、核心を理解できるようならすっ飛ばしても問題がありません。
大事なことや本当に言いたいことは、きっと少ししかないんだな。
主観でいいから、大事な部分を切り取って自分の中に取り込む練習をしよう。
本を読まない人間はサルである
結構激しい物言いだが、こんなニュアンス。
本を読むということは、単なる活字を目でなぞり、そこから遠い異国の情景を思い浮かべたり、目に見えない哲学や理論を構築したりするもので、想像力が必要である。想像力が欠如した人間には到底味わうことができない媒体だ。
そうした想像力があれば、暑い車内に幼児を置き去りにしたらどのような結果を招くか、電車内で化粧をしたら周りの人間がどう思うのか、ということに思い至るはずだ。
本をよく読む人というのは、地位や収入に関わらずどこか品性があり、含蓄のある話をするので一緒にいても面白い。
どんなに偉い人でも、本を読まない人間を尊敬する必要はない。人によく似た生き物、サルに近いんじゃないかと思えばいいだろう。
結局、この章は過激な口調のまま終わった。(笑)
読書に目的を持つな
読書は仕事に役立てるためにするもの、と決め込んでしまえば、自分が現在やっている仕事に関係する本しか読めなくなってしまう。だが、仕事の幅を広げ、仕事のためのアイデアを生み出すのは、一見仕事にはまったく役に立たなそうな「今の仕事とは関係のない本」だ。
これは媚びない人生(ジョン・キム著)でも書かれていたこと。
この本の説明で、納得できた。
最後に
「人生は遊ぶためにある」と著者は言っている。
そして、読書もその一つだと。
読書をすれば世界の裏側で起きていることもわかるし、はるか宇宙で起きていることもわかる。自分ができない経験を、本の世界では疑似体験できるのである。実際にその場所に行ってみないとわからないのは、想像力のない証拠である。想像の中で遊ぶのが、最高にぜいたくな遊びではないだろうか。
ムダを排除して、将来だけを見つめて最短距離を走る。それでは周りにある多くのチャンスを逃しかねないし、なによりそんな人生はつまらないでしょ?とも言っている。
他人に迷惑さえ掛けなければ、やりたいことはすべてやってみればいい。
「超並列」読書術と同じだ。一つのことにかかりきりになるのではなく、色んなことに並行して挑戦してみたら、新しい道が開けるかもしれない。
この本がブックオフで105円だったのだから驚きだ!運が良かった!
それでは。