ソーシャルインパクトボンドって知ってます?
見たことも聞いたこともない言葉でしたが、NPO法人アイダオさんが主催するイベント情報がフェイスブックで流れてきて、なぜか食いついてしまいました。
これ、関わる人たちが「テイクの精神」ではなく「ギブの精神」で支援しあえれば、すごいことが起こるんじゃないか!と感じたのでちょっと勉強したことをシェアします。
ソーシャルインパクトボンド(SIB)とは?
行政コストを削減しながら、地域協働で社会課題を解決する、官民連携の社会的投資モデル。
民間資金で社会的コストを削減する優れた事業を行い、事前に合意した成果が達成された場合に後から行政が事業費と成果報酬を支払う。
2015年6月には、政府の閣議決定の中でSIBの推進が明記され、現在、日本の3市(横須賀・福岡・尼崎)で試験導入されている。認知症予防や生活保護費削減などの重要なテーマで、効果検証や可能性を検討中。政府では2016年度の本格導入を目指している。
2010年に大幅な公費削減と業務見直しを迫られたイギリスで開発されたそうで、今このモデルが世界的に広がりつつあるとのこと。
ソーシャルインパクトボンドのファーストインプレッション
勉強会が始まる前に資料を読んでみて、最初は「なんだ、行政が税金使いすぎて苦しいから民間事業をうまく利用してやろうって話か。」なーんて思いました。でも話を聞いているうちに「ぼくは何て心がすさんでいるのだろうか、、、」と感じたのです笑。
そうやって簡単に表面的に感じたことだけで物事を判断するクセが、自分を腐らせていくんです。背景にはどんなことがあるのか、この仕組みをどう活用したら目の前を良くすることができるかを考えるクセをつけたいなと、この勉強会で感じました。
NPO・民間投資家・行政の立場を考えたらちょっとわかりやすくなった
主な登場人物の状況を考えるとわかりやすいかもしれません。
ここに、NPOと民間投資家と行政がいるとします。
NPO:
社会的課題を解決して社会をより良くしたい!という熱い想いを持っていますが活動資金のやりくりが大変、と思っています。
民間投資家:
自分にはできないけれどその社会的課題を解決できるならお金投資するよ!まあ寄付だけでもいいんだけど、ちゃんとわかりやすく結果に結びついて、少しでもいいからリターンもあるとちょっといいなぁ、と思っています。
行政:
これ以上みんなの税金を無駄に使うわけにはいかないからコスト削減しなきゃ、、、でも解決したい社会的課題はたくさんある、、、予算を削減しつつ将来発生しうる経費を削減できると判断した事業に効率よく税金を使いたい、と思っています。
そんな3者が、互いにできることやりたいことやるべきことを持ち寄って、協力しあって、社会に転がっている課題を解決していこう!という仕組みがソーシャルインパクトボンド(SIB)というモノだと理解しました。(間違ってたら誰かツッコミください笑)
具体的な事例
15〜34歳の若年無業者は2012年時点で63万人いて、生活保護費は2012年度予算で3.7兆円に達し、就労対策費のほか、生活保護費や失業保険費などの社会的コストがかかっているようなんです。
これが全て税金でまかなわれているんですが、若者就労支援プログラムを実施し成功した時に期待される効果として、所得税等納税額の増加、社会保険料聴衆の増加、生活保護費0円、失業保険費0円となり、3,700億円の公的コスト削減が期待できるようなんです。(ある就労支援モデル事業の試算のようで、ここには人数などの詳細シミュレーションは書かれていませんでした。)
その事業の予防的な施策がどれくらい効果があったのかを試算し、社会に与えるインパクト、行政コスト削減とその削減分から出資される投資家へのリターンや事業実施に掛かる費用、すべてが成り立つことを目標にしているのがソーシャルインパクトボンドということ。
ソーシャルインパクトボンドの良いところ
ただし、SIBは成果報酬型なんです。失敗したら行政コストも削減できないし、投資家は損するし、事業を実施する人は活動費が入ってきません。
だけど、これの良いところは2つあると思います。それは「本気度」と「連携・つながり」です。
繰り返しになってしまいますが、
・行政は、
「この社会を継続していくためにコスト削減をどうしてもしたい!」と思っている!
・投資家は、
「リターンよりも結果が優先で、元々は「寄付」という形で社会的課題に向き合っている人たちがほとんどで、課題は何とか解決したいけど自分の力ではどうしようもない、だけどお金を出すことはできる!」と思っている!
・事業を実施する人は、
「特定の社会的課題をどうにか解決したいという強い想いを持っているけど、資金繰り大変!」と苦労している!
そんな3者が集まるので、みんな「本気度」が高い。
で、みんなの想いが重なっている状態で力を出し合うので、自然と「連携・つながり」が強くなるハズだと思いました。
まとめ
実際どうなって運営されていくのかはわかりませんが、、、
なあなあでよくわからない形だけの連携ではなく、厳しさの中で想いが重なって連携するような形ってなんかいいなと感じました。
このソーシャルインパクトボンドという仕組みが当たり前になれば、このろくでもない素晴らしい世界をより良い状態にして子どもたちに渡すことができるハズ。これから注目です。
参考になる動画!
それではー!