直感力を鍛えるために、まずはじめにやるべきこと

いままで、自らの直感を信じて行動したことがありますか?

今回は、レイチェル・カーソン、ブルース・リー、羽生善治さんの言葉を借りて、

OHNO

●直感ってなに?

●「直感に従って生きる」が難しいのはなぜ?

●直感力を鍛えるために何をしたらいいの?

について学んでいきます。

直感とはなにか?

ブルース・リーは、「考えるな、感じろ」という言葉をわたしたちに残しました。

この言葉は、世界の至る所に散らばって、いまでも多くの人の心を震わせつづけています。

でも、そもそも、直感とはなんなのでしょう?

将棋の羽生善治さんは著書「瞬間を生きる」の中で、

自然と湧き上がり、一瞬にして回路をつなげてしまうものを直感という。

と言っています。そしてさらに、

幸運に委ねることを良しとせず、ロジックを積み重ねる地道な訓練の先に得られるもの

とも言っていて、直感は自らの主体的で前向きな行動なしに磨かれるものではないと言うことも書かれています。

直感とは「なぜかはわからんが、そうした方がいいと思う」という、理由が説明できないものであり、ロジックを積み重ねる地道な訓練の先に得られるもの、と、わたしは解釈しました。

どうしたら直感に従って生きることができるの?

30年以上生きてきた大人であれば、これまで積み重ねてきた知識や経験を必ず何かしらもっていて、そこから導き出される理由のない直感は、あなたに注意を促したり、より良い方向へと人生を導こうとしているはずです。

でも、「よし、今日から直感に従って生きてみよう!」と思っても簡単にできることでもありません。

なぜなら、あなたの直感には教育、社会通念、常識、同調圧力などなど、正しさや偏見がベトベトとまとわりついていて、使い物にならないほど鈍ってしまっているから。

そこで、レイチェル・カーソンさんの『センス・オブ・ワンダー』の出番です。

直感力を鍛えるためにまずやるべき3つのこと

直感力を鍛える前に、まずはそのベトベトとまとわりついている正しさや偏見をキレイに落とさなければなりません。

そうしないと、どれが直感で、どれが本能で、どれが欲望なのか、わからない。

わたしが『センス・オブ・ワンダー』から読み取った、直感力を鍛えるためにまずやるべき3つのこと、

OHNO

1.自然を探索す

2.上等な虫めがねを買う

3.嗅覚を意識的に使う

について解説していきたいと思います。

ポイント1.自然を探索する

まずは、本書から引用します。

「子どもと一緒に自然を探索するということは、周りにあるすべてのモノに対するあなた自身の感受性にみがきをかけるということです。それは、しばらくつかっていなかった感覚の回路をひらくこと、つまり、あなたの目、耳、鼻、指先のつかいかたをもう一度学びなおすことなのです。」

鈍った直感をよみがえらせるには、当たり前の日常の中にある驚きや感動や幸せに心を震わせることなのだと伝えようとしているようです。

わたしたちの多くはまわりの世界のほとんどを視覚を頼りに理解していて、そして、見ているようで見えていないものがたくさんある。

本書からレイチェルさんのエピソードを引用します。

わたしはかつて、その夜ほど美しい星空を見たことがありませんでした。

空を横切って流れる白いもやのような天の川、きらきらと輝きながらくっきりと見える星座の形、水平線近くに燃えるようにまたたく惑星…流れ星がひとつふたつ地球の大気圏に飛び込んできて燃え尽きました。

わたしはそのとき、もし、このながめが一世紀に一回か、あるいは人間の一生のうちにたった一回しか見られないものだとしたら、この小さな岬は見物人であふれてしまうだろうと考えていました。けれども、実際には、同じような光景は毎年何十回も見ることができます。

そして、そこに住む人々は頭上の美しさを気にもとめません。見ようと思えばほとんど毎晩見ることができるために、おそらくは一度も見ることがないのです。

本書には見過ごしていた美しさに目を開く具体的な方法が書かれていました。

それは、

「もしこれが、いままでに一度も見たことがなかったものだとしたら?もし、これを二度と再び見ることができないとしたら?」と自分自身に問いかけてみる。

という方法です。

自然を探索し、さきほどの言葉を自分自身に問いかけてみましょう。

美しいものを美しいと感じる素直な感覚を思い出し、しばらく使っていなかった感覚の回路がひらき、直感を取り戻せるハズです。

ポイント2.上等な虫めがねを買う

「それを見ていると、いつしかわたしたちは、人間サイズの尺度の枠から解き放たれていくのです」とレイチェルさんは言います。

わたしたち大人は、普段いそぎすぎていて、全体だけを見て細かいところに気をとめません。

ですが子どもは、自身が地面の近いところにいるからか、小さなものや目立たないものを探し出してはその美しさに感動し、喜びます。

レイチェルさんの言葉を引用します。

ひとつかみの浜辺の砂が、バラ色にきらめく宝石や水晶や輝く黒いビーズのように、あるいはこびとの国の岩の山のように見えたり、また、砂のなかからウニのトゲや巻貝のかけらがみつかるかもしれません。

森の苔をのぞいてみると、そのながめは、熱帯の深いジャングルのようです。苔のなかをはいまわる虫たちは、うっそうと茂る奇妙な形をした大木のあいだをうろつくトラのようにみえます。

池の水草や海藻をほんのすこしガラスのいれものにとり、レンズを通して見てみましょう。かわった生き物たちがたくさん住んでいて、彼らが動き回るようすは、何時間見ていても見飽きることはありません。

また、いろいろな木の芽や花のつぼみ、咲き誇る花、それから小さな小さな生きものたちを虫めがねで拡大すると、思いがけない美しさや複雑なつくりを発見できます。

子どもと一緒に、あるいはあなたひとりでも、上等な虫めがねを片手に自然の中に出かけて、小さな世界を旅すれば、美しいものを美しいと感じる素直な感覚を思い出すことができるでしょう。

ポイント3.嗅覚を意識的に使う

嗅覚というものは、ほかの感覚よりも記憶をよびさます力がすぐれていますから、この力を使わないでいるのは、たいへんもったいないことだと思います

とレイチェルさんは言います。

蓮 花

たしかにわたし自身、土の匂いをかいだときに中学サッカー部のときの合宿の辛く苦しい練習の記憶がよみがえってきたり、きんもくせいの匂いをかいだときになぜか懐かしさを感じたりします。

ググってみると、「嗅覚は五感の中で唯一、本能的な行動や喜怒哀楽などの感情を司る大脳辺縁系に直接つながっているので、より情動と関連づけしやすい」とあり、嗅覚は他の感覚よりも記憶を呼び覚ます力があるというのは科学的にも確かなようです。

日常生活でも、自然を探索したときでも、嗅覚の力を意識的に使うことで、自然と子どものころの記憶とともに素直な感覚がよみがえるのでしょう。

自然を探索するときに嗅覚を意識的に使うと直感を取り戻すきっかけになりそうです。

【まとめ】直感力を鍛えるためにやるべきこと

田坂広志さんの「運気を磨く」という本の中にも、運気や直感を磨くためには心の中にあるネガティブな考えを消すことが重要で、無邪気な心を持つ子どもはそもそもネガティブな考えを持たない、と書かれていました。

また、大人が直感力を取り戻すためには、まずは自然の中に身を浸し、自然の浄化力に身を委ねる習慣を身につけるのが良いとしています。

センスオブワンダーと重なりますね。

森

では、ここまでのことをまとめます。

子どもと一緒に自然を探索してみましょう。身近に一緒に遊ぶ子どもがいなければ、あなたひとりでも大丈夫です。

自然に出て、虫めがねを使って小さな世界に心を開き、嗅覚を意識的に使ってみましょう。

自然というのは、富士の樹海とか屋久島とか、なにもそんな大それた場所に行かなくても大丈夫で、近くの神社や公園、朝日や夕焼け、月や星空も、自然です。

自然を無邪気に楽しむことができたなら、子どものころの記憶とともに新鮮で素直な感覚がよみがえり、直感力を取り戻すことができます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

それではまたー!

ABOUTこの記事をかいた人

東京都北区出身。 これまでの経験と読書遍歴を活かして、現在は動画制作・コミュニティー運営・速読読書会開催・YouTubeチャンネル運営・オンライン講座を通じて、人が自らの才能を発揮し自由に生きるためのサポートをしています。