結婚式の両家代表挨拶を長男がやることになったときに大事にしたい3つのこと。(実際のスピーチ付き)

 
先日弟の結婚式があったんです。で、最後の両家代表あいさつなんですが、以前にも書いた通りウチの親父は脳梗塞で身体もしゃべりも不自由で、母親も「女がやるのはちょっと違うんじゃないか」的なことを言っていて、長男のぼくがやることになりました。
 
軽い気持ちで受けたんですが、よくよく考えてみると「両家を代表して」の挨拶となります。これが話をややこしくさせますよねぇ。
自分の家族の代わりにお礼を言うのはまだいいけど、親でもないぼくが相手の家族の代わりに「みなさんありがとう!」なんていうのもちょっと変だし、親父に成り代わってというのも、正直言ってぼくはぼくなので、代わりには絶対になれません。
 
実際、当日その場面を迎えてみると、新郎新婦を真ん中に、両サイドに相手のご両親とぼくと母親が披露宴に出席してくれたみなさんの前に立っているわけですから、場違い感はありつつも感謝の気持ちはしっかり伝えたいなと感じた、なんともフクザツな状況でした。

 

スピーチは「3つのこと」を考えて、つくり・読み上げましたが、自分で言うのも何ですが、伝えたい気持ちは伝わったのではないかという感触を持てました。まあ少なくとも、幸せな素晴らしい日の邪魔にはならなかったのではないかと。

 

 

それではスピーチをつくったときの3つのポイントを紹介し、実際のスピーチを記載してみますね。
事情があってぼくのように両家代表挨拶をすることになった長男長女の方々の参考になれば幸いです。
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1.両家を代表しようとしない

 
これはもう開き直りです笑。
役割はそうあるべきでも、自分の気持ちとしても周りの雰囲気からしても、そう思えない・思われない場合は、思い切って「自分は自分」と開き直ればいいのです!
 
新郎がどんな家族の中で育ち今ここにいるのか、出席された皆さんに少しでも知って欲しいなと思い、ぼく個人の視点からしか見えない両親のことと弟のことについて、空気を読めないやつだと思われてもいいや!という気持ちで笑、長々とお話しをさせていただきました。

 

 

2.普段なら両親兄弟に絶対に言えないような恥ずかしいことを出席者の皆さんの胸を借りてしゃべる

 
文章を考えるのは結構時間が掛かりましたし、実際に話すときはめちゃめちゃ緊張しました。精神的にかなり疲れましたが、こんなチャンスをもらえて本当に良かったなと思いました。
 
そうなんです。これはチャンスなのです。
そう捉え直すと、こういう特別な日には、いつもなら言えないような「恥ずかしいこと」を伝えるチャンスであるとわかります笑。
 
良い日に、良いことを言う人に、ダメだしをしたりあげあしをとる人はいないでしょう。もし万が一何か言われたとしても、別にこっちは清々しく幸せなのでおそらく気にならないでしょう笑。

 

 

3.ありったけの感謝と「今日という日を生きれて本当に良かった」という気持ちを込める

 
自分がその幸せな場にいられたのは、まずは新郎新婦が出会って結婚しようと思って結婚式を挙げようと思ったからです。
 
忘れてはならないのは、それに加えて両親や兄弟のみならず結婚式に出席している人もしていない人も、結婚式を演出してくれた式場のスタッフの方々も含めて、新郎新婦の人生に関わった人達がいて、心と体を育ててくれた方々がいたからでしょう。いや間違いなくそうでしょう。

 

いままで二人に関わってくれた方々に感謝感激雨嵐し、様々な出来事や人との出会いを経て今日があることを実感し、「ああ、今日という日を生きれて本当に良かった」という気持ちを言葉に込めることが大事ではないかと思いました。

 

 

まとめ

 
おそらく今回の経験は、両家代表という役割を強く意識したらできないことでした。
 
「自分は自分、親の代わりはできない」と開き直り、普段言えない恥ずかしいことを惜しげもなく言葉にすると、感謝の気持ちと今日という日へのありがたさを感じることができました。

 

 

以下は実際のスピーチ内容です。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆
 
皆様本日はご多用中のところ、○○○、○○○さんの結婚披露宴にご出席いただきまして誠にありがとうございました。
新郎の兄、おおのあきよしです。よろしくお願い致します。
 
本来であればぼくの父であり、○○○の父である○○○がご挨拶させていただくところですが、現在身体が不自由な状態で残念ながらここでみなさんにご挨拶をすることができません。本人が一番残念に思っていることと思います。
 
ぼくは正直言って父の変わりをすることはできませんし、両家を代表して、とまで言える自信もありませんが、○○○と○○○さんの2人の新しいスタートを心から祝福し、ここにお集りのみなさまへの感謝の気持ちは誰にも負けていないという想いでご挨拶させていただきます。

 

少し長くなりますが、どうかお付き合いください。
○○○が育った環境、というか両親についてちょっと話をさせていただきます。
 
父は、一人っ子で大切に特別に育てられてきたからなのか、どこまでもわがままで自分勝手な父親でした。父親が一番偉くて、次に長男が偉いんだ、というような昭和的な価値観を全面に押し出してくる人でした。酒が大好きで、酔っぱらって夜中にぼくを起こし、嬉しそうに話しかけてくる、厄介な男でありました。
 
でも、家族に対してとても愛情深い人で、ぼくが子どもの頃、バス旅行で車に酔ってどうしようもないときに、一緒にバスを降りて山道を歩いてくれた優しい父の後ろ姿が記憶に焼きついています。困ったときはいつも近くに寄り添ってくれ、子どもたちがやりたいことは力強く後押ししてくれる、頼もしくて安心感があって、時に友のような雰囲気を漂わせる父でした。
 
母も、父と同じように大事に育てられたお嬢様だったんだろうなと思います。
ヘンな男と結婚して人生狂ったかもしれませんね。母はいつも家族のことを第一に考え、自分のことよりも家族のことを優先する、「ギブの精神」に溢れる人です。父の商売をサポートしながら、育児家事もし、家庭を支えました。今まで本当にありがとうございました。

 

そんな2人の間に生まれた○○○は、紆余曲折を経て、いまここにいます。
ぼくは1人の人間として、彼を尊敬しています。
彼のスゴいところは、大切な人に友のように寄り添い、「ギブの精神」を持って行動するところです。
交換や見返りを期待するのではなく、純粋に相手を支援し助けようとする心の余裕をもっている、両親の良いところをどちらもしっかり引き継いでいる男です。

 

そんな○○○が出会った○○○さんは、○○○と同じように、優しくて「ギブの精神」を持っている素晴らしい女性でした。うちの両親と同じく、温かく優しいご両親の元で育てられたのだろうと想像します。
 
○○○さん、○○○は素敵なやつですが、偏屈で頑固でヘンなやつでもあるので注意してください。
これからも○○○のことをよろしくお願いします。

 

2人の奇跡のような出会いに胸が震えます。
○○○、○○○さん、そして2人をここまで生み育てた両家のご両親、今日は本当におめでとうございます。
 
そして、これまでの関わりあいの中で2人の心を育ててくれたご出席の皆様、今日は本当にありがとうございました。
 
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それではー!

 

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1980.1.1 東京生まれ YouTubeチャンネル『シンプリィライフ』では、本を参考にしながら無意識の思い込みから自由になる方法をアニメーションで解説しています。本業は古本買取サービス「バリューブックス」のSEOマーケティング担当。