【要約TED】 ゲームとリアルの融合が世界を変える可能性について。

 
TED Talksより。ゲームの可能性についてのむちゃくちゃ面白い話でした!
 
2013-04-13_1309
 

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動画はこちらから。
ジェーン・マゴニガル 「ゲームで築くより良い世界」

 

まずはジェーンさんがしていた最初に発明されたゲームの話をそのまま引用します。

 

私は2500年前に起こったある出来事からインスピレーションを得ました。誰が何のためにゲームを発明したのか?という話。
ダイスゲームはリディア王国で飢饉の時期に発明されたとヘロドトスは書いています。非常に深刻な飢饉があり、リディア王は何か度を外れたことをする必要があると考えました。人々は苦しみ争っています。極限状態です。彼らはダイスゲームを発明し、王国全土である政策を実施しました。一日目には皆食事をする。その翌日には皆ゲームをする。皆すっかりダイスゲームにはまりました。あまりに引き込まれるものだったので満足を与えてくれる生産的な至福の中で、食べるものがないということさえ忘れてしまったのです。
次の日にはゲームをし、その次の日には食べる。ヘロドトスによれば彼らはそのようにして18年間飢饉の中を生き抜いたということです。1日は食べ、1日はゲームをするという具合にして。
 
これはまさに今日私たちがゲームをするあり方と同じです。私たちは現実の苦難を忘れるためにゲームを使っています。ゲームを使って世の中のおかしなことや現実生活の不満なものすべてから逃れ、求めるものをゲームから得ているのです。

 

ゲームにより飢饉の王国が18年間生き抜いたという話。おもしろくないですか!?
 
そのリディアの国王がどこまで考えて実行した政策なのかは分かりませんが、皆がお腹が空いているのも忘れて没頭し、18年間も苦しみによって争うことをせずに生きながらえたのは、ゲームの力によるもの。「騙されている」と思ってしまえばそこで終わりなのですが、実際18年間続けられたということは、ゲームとリアルの境界線がイイ意味であやふやになっていたからなんだと思います。まさに人生をゲームのように生きたということ。
 
ジェーンさんは私たちの境遇にも当てはめて、現代の人間とゲームの関係性も、その古代リディア王国と同じだと言っていますが、まだなにか少し足りないことがあるんだと思います。それをジェーンさんは実現したいのだということが、このプレゼンを見ると分かります。
 
そして、こう続きます。

 

しかし話はそれで終わりません。
すごく面白いのですが、ヘロドトスによれば18年の飢饉の後も事態は良くなりませんでした。それで王は最後のダイスゲームをすることに決めました。
王国全体を二つに分け、ダイスゲームで勝負をし、そのゲームの勝者は壮大な冒険を賞品として手に入れます。リディアを出て、新しい生きる場所を探しに行くのです。あとにはわずかな食料で食べて行けるだけの人が残されます。そうやって文明をどこか別な場所で生きながらえようとさせたのです。
クレイジーな話だとお思いになるでしょう。でも最近古代リディア人がローマ帝国の礎を築いたエトルリア人と同じDNAを持つことが明らかになったのです。ヘロドトスのクレイジーな物語が真実であることを科学者たちが示したのです。それに飢饉の原因になった20年にわたる地球寒冷化の証拠も地質学者により発見されました。
このクレイジーな話は本当だったのかも。彼らはゲームをして、実際に文明を救ったのかもしれません。18年間ゲームの世界に逃げ、それにより刺激を与えられ、ゲームから力を合わせることをも学び、そうやって文明全体を実際に救ったのです。

 

ゲームとリアルの境界線があやふやな状態が生み出すクレイジーなパワーが語られています。
 
私は子どもの頃にゲームに夢中になっていた人間ですが、今の私の脳みそでは、(おそらく多くの人と同じだと思いますが)ゲームの世界を、リアルとは切り離して考えてしまいます。「ゲームはゲーム、幻想の世界。リアルは違うよ、リアルに生きないと。」というような感じです。
 
ですがジェーンさんのプレゼンを聞いていると、ゲームが秘めている人間の能力を引き出すパワーについて、子どもの頃に夢中になった記憶とも重なってとてもシックリきました。

 

ジェーンさんは、ゲームが人の能力のどういう部分を育てるのか?についても考察していました。以下引用です。

 

ゲームは人をどういう面で達人にするのか?
 
1つめは

「楽観的即行」

強度の自己動機付けと考えてください。
楽観的即行は、問題にすぐ取り組みたいという欲求と、成功の見込みは十分にあるという信念が結びついたものです。ゲーマーはいつもエピックウィンは可能と思い、いつだってすぐにチャレンジする価値があると信じています。彼らが何もせずにいることはありません。
 
2つめは

「縦横のネットワーク」

ゲーマーは緊密な「縦横のネットワーク」を作り上げる達人です。
ゲームを一緒にした後はその相手のことをより好きになるという興味深い研究があります。たとえひどく負かされた場合でもそうなのです。その理由はゲームを一緒にするには多くの信頼が必要だからです。相手が自分といっしょに時間を過ごすことを同じルールに従ってプレイすることを同じ目標に価値を認め、終わりまで続けることを信じています。一緒にゲームすることは絆と信頼と協力を生み出します。結果としてより強い社会的な関係が築かれるのです。
 
3つめは

「生産的至福状態」

私たちがゲームをしているときには、リラックスしたりぶらぶらしている時より楽しい気分で熱心に働きます。人類は難しく意味深い仕事をするよう最適化されているのです。適切な問題さえ与えられれば、ゲーマーは常に熱心に働く人々なのです。
 
最後に

「壮大な意義への希求」

ゲーマーは人類とか地球というスケールの物語における畏敬の念を起こさせるようなミッションに打ち込むのが好きです。

 

これら4つのスーパーパワーが1つの存在に集約されています。
ゲーマーというのは強い力を与えられた希望に満ちた個人なのです。
1人ひとりが世界を変えられると信じている人たちです。唯一の問題は、彼らが変えられるのは仮想世界であって現実世界ではないと思っていることです。これは私が解こうと試みている問題です。

 

上記の4つの能力のように、ゲームの世界で得た感覚や能力は、そのままリアルの世界でも使えるものです。
ですが、私たちはリアルの世界においてはゲームの中のようにうまくいかないと感じています。
 
ゲームの世界にいるときには、問題の解決に粘り強く取り組み、失敗しても立ち上がって再び立ち向かうのに、リアルの世界では、失敗に直面したり障害にぶつかったときに、なかなかそのようには感じません。圧倒され、打ちひしがれたように感じます。不安になり、あるいは落ち込み、苛立って、悲観的になります。

 

「達成できないことなどない」ゲームの何がそう思わせるのでしょう?
どうしたらその感覚をゲームから取り出して現実の世界に適用できるのでしょう?
 

私たちは現実の世界をもっとゲームのようにする必要があるのです。

 

これこそが、ジェーンさんの人生における大きなミッションなのだと思います。
彼女は、リアルの世界と重ね合わせながら課題をクリアできるオンラインゲームの開発に携わっているようです。これにより、ゲーマーの力をゲームの世界だけではなく、リアルの世界にどんどん流し込もう!ということ。ジェーンさんは世界を変えられると信じてチャレンジしています。

 

TED Talksで紹介されていたゲームは以下(だと思います)。
World Without Oil
Superstruct
Evoke

 

自分もそうでしたし、ウチの子どももそうなんですが、ゲームには完全に没頭して集中してしまう、もっとやりたい!どんどん進めたいと思ってしまう魅力があります。これまでは、この「没頭しすぎて他のことを何もやらなくなってしまう」という部分だけを切り取って、ゲームを悪だと言っていたところがあったと思います。(実際自分もあまりゲームをやって欲しくないという先入観を持っていました。)
 
だけど頭ごなしにダメだと導くのではなく、ゲームが持っている力についてよく考え、うまくその力を使うことができれば、これは子育て・教育をしていく上でとても頼もしい「武器」になるはずです。

 

最後にジェーンさんのまとめ。

 

ゲームは変化のための強力なプラットフォームだということは同意していただけると思います。
生産的至福状態・縦横のネットワークを築く能力・楽観的即行・壮大な意義への希求、というスーパーパワーがあるのです。みんな集まって意義のあるゲームをし、これからの100年を地球で生き抜けるよう願っています。このようなゲームを作り遊ぶことへ、みなさんに参加していただくのが私の望みです。次の10年を見つめたとき、2つのことが確かにわかります。私たちは想像できるどんな未来でもつくることができ、やりたいどんなゲームだってできるということです。
 
世界を変えるゲームを始めましょう。

 

今日の[要約!TED]はいかがでしたか?
それでは!

 

ゲームに関連した本の紹介。この本、ゲーム論ではなく人生論です。
かなりエキサイティングな内容。オススメです。
 

 

ABOUTこの記事をかいた人

1980.1.1 東京生まれ YouTubeチャンネル『シンプリィライフ』では、本を参考にしながら無意識の思い込みから自由になる方法をアニメーションで解説しています。本業は古本買取サービス「バリューブックス」のSEOマーケティング担当。