2年前まで、自分は何が好きで何がイヤなのかすら分からなかったし、分かろうともしてなかったんです。
自分に合うコーヒーのことなんて考えたこともなく、ただただ目の前のコーヒーを飲んでいました。
でも、いま振り返ってみると、美味しいと感じるコーヒーと美味しくないと感じるコーヒーが確かにあったなぁ、と。
「ぼくは酸味の少ないコーヒーが好きなんだ」と、この1,2年で気づきました。
もう39歳で、40歳になる一歩手前です。
酸味のあるコーヒーでも、ハイレベルな焙煎士が焼いたもので、稀に「美味しい!」と感じるものもあるのですが、でもたいていは舌と頭がキンキンしてしまい、調子が悪くなります。
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耐え難いこと、我慢ができないこと、琴線に触れること。
そういうものをスルーしながら、向き合うことから逃げながら、痛みを避けながらこれまでやってきました。
引き換えに、好きなものを「好きだ!」と言うことを諦めながら、やってきた。
長い間そんな風にやってきたもんだから、好きなことも、やりたいことも忘れてしまったのだと思います。
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「好きなものは好き、嫌いなものは嫌い」
「やりたいことだけやろう」
そうやって生きていけばいいのはわかっている。
でも、その肝心な、「自分の好きなこと・やりたいこと」が、なにかの拍子に分からなくなってしまうことだってある。
「自分は好きなことを忘れてしまっている」ことにすら気づけない時期もある。
そんなときは、超シンプルに、気になってた食べ物や大好きな飲み物だけ食べて飲んで、今まで行きたかったところにすぐにでも行き、会いたいけど忙しくて会いに行けなかった人に絶対に会いに行けばいい。
しばらくそれだけやっていたら、自分にとっての「美味しいコーヒー」見つかったんです。
「自分はいま、コーヒーを心から美味しいと感じている」
と、自分が感じていることが分かった瞬間が確かにありました。
もしかしたら他の人にとっては当たり前のことかもしれないけど、「自分でつくったコーヒーが美味しい」という体験は、ぼくにとっては革命的な出来事でした。
それではー!