信州上田市の柳町というところ。
風情のある建物が並び、過去にタイムスリップしたかのような錯覚におちいる。
懐かしさと落ち着きを感じる場所。
「コトバヤ」という本屋。
コトバヤ 本と珈琲 フェイスブックページ
店長の「さとみさん」とはお知り合いで、ぼくが相棒のピンクの折りたたみ自転車で颯爽と上田市内を駆け巡っている姿をよく目撃してくれるらしい。
この前は、さとみさんがガソリンスタンドにいるとき、今にも壊れるんじゃないかと思わせるほどのけたたましい「キーキー音」を立てながら、目の前を過ぎ去っていったようだ。そして、「あの自転車、大丈夫かな?」と心配してくれたようだ笑。
コトバヤとヨーグルッペ
あまのじゃくなぼくはコトバヤオープン直後の目立っているタイミングでは行きたくなくて、しばらくして落ち着いてから行こうと決めていた。と思っていたらずいぶん時間が経ってしまったが行ってみた。
そうだ。「ヨーグルッペ」ダ。
みなさんお馴染みの「ヨーグルッペ」ダヨ。
え?お馴染みじゃない?なら早速「コトバヤ」に行って飲むべきダ。
ヨーグルッペはもうすぐ、コトバヤから上田市中を駆け巡るから。
コトバヤ移転に隠されていたストーリー
さとみさんと雑談をした。
確か、移転する前は女性がもう一人いて、その方と共同で運営していたはずだが今はいない。
なんでも、ずっと一緒にやってきたその彼女とは、訳あって移転を機に別々の道を歩むことになったのだそうだ。
「一人になって大変ですね」と聞いたところ、今の状況は自分で選んだ道なのだ、と。
どういうことか?
移転が決まった時、その彼女と「二人でまた一緒にやろう」と話していた。
だが、その彼女は元保育士で、コトバヤ移転と同じタイミングで近隣の幼稚園から「働かないか?」とオファーが掛かったそうなのだ。
それでさとみさんに相談したのだと思う。その彼女には子どもが二人いて、自らお金を稼がなければならない状況にあるようだ。
悩む彼女に、さとみさんは…
「絶対に幼稚園のオファーを受けた方がいい!」
と、言った。
お店の世界観をつくり上げるモノの正体
ぼくは涙が出そうなほどの感動を、ヨーグルッペでごまかした。
こんな優しい人はなかなかいないと思う。
もし自分がさとみさんならきっと、「一緒にやりたいけど…自分で決めてください」ぐらいのところが限界だろう。
でもさとみさんは、その彼女の人間性を知った上で、その人が最も生きる、その人にとって最も良いであろう道を選べるように背中を押したのだとぼくは感じた。力強く、そして温かい手で、背中を押したのだと思う。何より、自分のことを後回しにして。
そういうモノが、その場所に宿る。
固そうだけど触れるとふわっとした感じ。
冷たそうなのにじんわりと温かい感じ。
不器用そうで繊細な感じ。
言葉ではうまく表現できない、入って触れてみないとわからない世界が、お店の中には広がっている。
まとめ
「コトバヤ」は、「いいお店だよ」という一言では紹介したくないお店。
人がたくさん来て欲しい気もするし、来てほしくない気もする笑。
でも、たくさんの人に知って欲しい世界だと思った。
それではー!