突然ですが、みなさんは子どもを褒めて育てますか?それとも叱って育てますか?
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できるかできないかは置いておいて、大抵の親が「褒めて育てる」ことを良しとしていると思います。でも、褒めっぱなしだと、決断力が鈍るともいいます。決断力や判断力を養うためには「叱る」ことも必要だ、とほんまでっかTVで脳科学者の澤口さんが言っていました。(あくまでほんまでっか情報)
この狭間で私は葛藤しています。
気分とかその時の忙しさによっては、子どものチャレンジの成り行きを見守り褒めるべきところなのに、褒めることができなかったり、それどころか時間が無くてイライラして子どものチャレンジを取り上げて変わりにやってしまったり、最終的にはイライラして叱ってしまったり。
これまでそういう葛藤をしてきた結果、私としては「褒めて育てることを基本にして、悪いことを正したり本気で伝えなければならないタイミングでは叱る」というのがいいのかな?という結論を出しました。
でも、その結論とか一般常識を覆すようなことが書いてある本に出会い、ちょっとというかかなり衝撃でしたね。これ。
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この本は、アルフレッド・アドラーという方が提唱する哲学?心理学?を基に書かれた、対人関係を切り口に「人生の意味」みたいなものを青年が哲人と対話しながら見つけていくという内容。
以下に私なりに解釈した「アドラー流子育て法」について書いてみます。
「叱る」ということの目的
まず、叱るという行為について考えてみます。
子どもを叱るということを正統化しようとすればいくらでもできます。躾だとか、悪いことを悪いと知るためとか、つまりは子どものためだとか、、、
でも、よく考えると「叱る=怒る」ということで、怒るということは自分の伝え方がヘタクソでイライラしている、ということかと。
つまり、叱る(怒る・怒鳴る)ことの目的は、イライラして感情をコントロールできなくなって、相手を威圧・制圧すること、もっと言えば大人が子どもを手っ取り早くコントロールするための口実に過ぎないということです。
この本を読んでなるほど納得でした。
「褒める」ということの目的
では褒めるというのはどういうことか?
褒めれば子どもは喜びます。喜んで「またやろう!」とチャレンジ精神も芽生えそうです。経験上、確かにその効果はあると思っています。
ですが、褒めるということにも親や大人の都合や望みが見え隠れするものである、とアドラー心理学は言い捨てます。そのように育って欲しいから、それができるようになって欲しいから、つまりはこれも子どもをコントロールしたいというのが目的だということです。
同時に、「褒められるからやる」というマインドを育てられると、褒められなければやらなくなるかも知れないし、他人の評価ばかりを気にする人になってしまう可能性も高まります。
じゃあどうすればいいのよ!?
アドラー的には、「縦の関係を作らず、横の関係を築くこと」が生きていく上でとても大切なことだと言います。どういうことか?
アドラー曰く、まさに褒めたり叱ったりすることは「縦の関係」で対人関係を捉えているということで、無意識にも上下関係の中で生きているということです。
叱るというのは足りないものがあるから教えてやる、自分よりも劣っている部分があるからできるようにしてあげる、自分の思い通りいかないから手っ取り早く言うことを聞かせる、というようなこと。
叱られる側は当然叱られたくないから、叱られないようにする。これはどこにつながるかと言うと「他者の評価」を気にして、「他者のモノサシ」「他人の価値観」で生きるということにつながります。
また、褒めるということも例えば「よくできたね」なんて言葉は完全に縦の関係で、上と下があるというのを無意識に刷り込まれるほどの力があるなぁ~と納得してしまいました。褒められた側は、また褒められたいからがんばる。褒められるにはどうしたらいいのか?と考え始める。そうするとおのずと叱ることと同じ場所に行き着くわけです。
「褒めても叱ってもいけない」というのは、「他者の評価ばかり気にして、自分の人生を生きられなくなる」ことへの警笛だということです。他者の価値観の中で生きるのは苦しいし、自分の人生を自分が生きずに誰が生きてくれるのか?という問いかけとして帰ってきます。
人間にとっての最大の不幸は、自分を好きになれないことです。
と本書には書かれています。人間いろんな人がいます。他人は多種多様ですから、他者の評価、他者の価値観の中に生きていれば、自分を好きになれない瞬間だってきっと訪れるはず。
でもそれを「横の関係」つまり他者との関わりを「同じではないけれど対等」というフラットな関係で共に歩いているんだという意識で捉えることで、他者の価値観から離れることができる。「自由」に近づいていける、自分を好きになれる。
だから、褒めても叱ってもいけない。
そういうことです。
まとめ
私は子どもが生まれたときから「自分の子どもたちと友達のような関係になりたい」と思って生きてきました。フラットな関係を築き、対等な関係で生きていきたいと思ったからです。その方向性には間違いはなかったけど、この本を読んで中身がともなっていなかったことに気づかされました。
褒めて叱って「縦の関係」を刷り込んでいたのです。反省。
私は自分の子どもが自分を好きになって、他者の価値観に縛られずに自由に生きて欲しいと願います。だから勉強して自分の行動を変えていこうと思います。
皆さんは子どもとどう向き合っていますか?
良かったらご意見お聞かせください。
あなたの人生の文字盤が見つかることを願っています。
それでは!