誰かが本をぞんざいに扱っているところを見ると、心がざわつく。
足で踏んでいるところを見ようものなら、いてもたってもいられなくなる。
普段はおとなしい私だが、一言注意したくなる衝動に駆られる。
「本は大切なものである」と、父に何度も何度も言われて、育ったからだろうか。
何か困ったことがあったとき
「自分の知識と経験ではまず何からはじめればいいかすら分からない」
そんなときに本を開く。
月に1,2冊購入する程度の私の部屋でも、数年も経てば、いよいよ断捨離をしなくてはならない状況になる。
「保管しておく場所がなくなってきたなぁ。」
ざっと本棚に並んだ背表紙を見渡すと、どれも要所要所で私を支えてくれた本であり、大切な本たちである。
捨てたくはない。
が、これ以上本棚を増やすこともしたくないから、本を減らしたい。
どうしたらいいものか…
ひとつの解を見つけた。
本棚に並んだ本をまとめて査定する、『本棚スキャン』である。
本の背表紙をスマホで撮影するだけで、インターネット市場における値段が把握できるツール。
本棚スキャンをして、値段がついた本は必要とする人の割合が高く、値段がつかなかった本は必要とする人の割合が低い、ということ。 値段がついた本は(もし手放しても良いならば)買取査定に出せば、査定額が振り込まれ、その本を必要としている人に引き継がれる。
値段がつかなかった本は、友人や家族に譲ってもいいし、古紙リサイクルに出してもいいし、もちろんそれらも含めて買取査定に出してもいい。
当然のことだが、どうするかはそれぞれの自由だ。
ただ、値段がつかないと分かっているものを買取査定に出さないと選択するならば、微々たるものかもしれないが運搬時の荷物が軽くなり、それが積もり積もればエネルギー消費量・CO2排出量の削減にもつながっていく。
本を必要としている人の中には、新品じゃなくてもいいという人もいる。その人は、なるべくコストを抑えて好きな本をお財布が許す限りに買って、読みたいと思っている。
だから、市場に古本がたくさん流通して、自分の欲しい本がいつでも手に入るようになったら、ありがたい。
人と本の出会いを演出するのが得意分野である本屋さんは、必要とされている本をより多く仕入れることができれば、もっとお客さんに喜んでもらうことができるだろうし、売上が上がればビジネスを続けていくことができる。
いま持っている本を整理したくなったとき、『本棚スキャン』を使えば、より良い選択をするための時間と手間を最小限にできる。
とにかく、あなたが本を大切にしたい気持ちを大切にできるのが、一番いいことだと思う。