壮絶でチンケな大塚家具の幸せな親子ゲンカから考える中小企業後継ぎ問題の解決方法。

 
家族というのはもうそれだけで視野を狭くし、本来目指していた目的・目標を見失わせます。
愛とは執着のこと。
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世間の話題をさらった、大塚家具の「お家騒動」劇。主役は、創業者で前会長の大塚勝久(72)と、長女で社長の久美子(47)。3月、株主総会を舞台に、2人が互いの退任を求めて委任状争奪戦を繰り広げた。

その2人が、今度は舞台を東京地裁の法廷に移す。7月中旬、互いに法廷に立ち、主張をぶつけ合うことになった。お題は「株はだれのものか」だ。

 
(けいざい親話)大塚家具の教訓:1 終わらぬ「親子げんか」:朝日新聞デジタル

 

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なんでも、いまだ大塚家具の大株主であるお父さんの勝久さんは、娘の久美子さん側についている大塚家具の資産管理会社「ききょう企画」が持っている7%の株を返せ!といって裁判を起こしているそうだ。もうすぐ(2015/7)法廷に立つとのこと。

 

会長の座を失ったとはいえ、勝久は18%の株を握る大塚家具の筆頭株主。裁判に勝てば、ききょう企画の7%も手にする可能性がある。久美子が率いる大塚家具の業績が上向かないようだと、「社長復帰をめざして委任状争奪戦を再び仕掛ける可能性がある」と、勝久周辺は語る。

 

 

執着するお父さんはダサい

 
お父さん。もうね、自分で娘を社長にしたくせに往生際が悪いですよ。
決めたときの覚悟ってなんだったんでしょうね?それとも娘は社長になっても社員と同じで絶対自分の言うことを聞くと思ったんですかね?本心は形だけ継がせて、死ぬまで大塚家具はオレのものだ!と牛耳ってようと思ってたのかもしれませんね。

 

これはおそらく、愛しすぎて執着するパターンです。
社員がどうの、業績がどうの、なんていうのは単なる口実で、もう「会社」に執着しまくっちゃっている自分に気づかずにエゴを押しつけようとしているだけです。

 

いろいろと言いたくなるのはわからんでもないけど、結果として社長から引退して責任がなくなった立場で、好き勝手言うのはかっこ悪いですよね。

 

 

引き継ぎたいものはなんなのか?

 
きっと、忘れてしまったことがあるんじゃないかなと思います。
なんやかんや言うても、会社を設立したときの想いやその途中で形作られた想いがあったはずです。
会社を大きくしたい、そして世の中をああしたいこうしたいみたいな。

 

誰でもみんな、隠れて見えていないだけで心の奥底では、誰かの幸せや誰かの喜ぶ顔をみたいと願っているんです。
それはきっとお父さんの心の中にもまだ残っているはずなんや。
周りにべっとりとこびりついている「執着」が、一番大事なその「想い」を見えなくしているだけなんやで。

 

「大塚家具という会社を使ってなにがしたかったのか?」大塚家具という塊に執着するのではなく、後続に引き継ぎたい「本来の想い」を再確認したいところです。

 

 

その想いをどうやって引き継ぐのか?

 
そういう本来の想いを、ちゃんと娘に伝えたんでしょうかね?
いやでも、伝わっているはずなんです。家族としてずっと一緒に生きてきたわけですから。

 

だって、どこかで聞いた話ですけど、お客さんのニーズを捉えるために家族で倉庫みたいなところに住んで、家具をああでもないこうでもないとレイアウト変えたり新しい家具を試したりしてたらしいんですよ。そういうお父さんの背中を見ながら娘は成長してきた。

 

それに嫌気が指していたのかカッコいいと思ってたのかは知りませんが、とにかくお父さんのことは酸いも甘いも他人より良く知っているハズ。
しかも最新テクノロジーの使い方もわからないような感性の枯れたおじいちゃんなんかよりも若い感覚の方が過去に固執することなくいまの状況と未来を見て時代にマッチした判断ができますよ。

 

そりゃ過去にすがって固執している人をみれば、新しいやり方なんて理解できないし認められないでしょうね。仕事に家族の関係を持ち込んでは、うまくいくものもうまくいかない。そういうものを断ち切って会社と向き合わなきゃいけないという覚悟が娘さんにはあるんだと思います。

 

騒動が始まって以来、2人はまったく口を聞いていないらしいんですが、でもきっと、娘さんはあんな感じだけどお父さんの背中をみて育っているワケですから、伝わって引き継がれていくコアな部分(想い)が間違いなくあるハズ。

 

お父さんは執着から離れて本来の想いを取り戻し、娘さんはお父さんの本来の想いに耳を傾ける。
そのために家族という執着を捨てることが必要でしょう。

 

「家族の執着の捨て方」は是非この本で勉強してください。

 

 

大塚家具のように後継ぎ親子ゲンカできるならまだ幸せだ!

 
(けいざい親話)大塚家具の教訓:4 後継者でもめるのは幸せ:朝日新聞デジタル

 

「うちのような小さい会社では、親子げんかなんてやっている暇はない」と苦笑する。板橋区で工場向け除湿機器の製造会社を営む。従業員は5人だ。長男はすでに独立。「さほどもうからないから、息子に継がせたいとも思わない」。経営に問題はないが、後継者の当てはなく、先のことを考えると不安になるという。

 

大塚家具の流れで調べていくと、いま後継ぎ探しが日本の多くの企業にとって難題になっているようです。
この記事によると、2014年末の国内114万社の社長の平均年齢は59.0歳。(帝国データバンク調べ)
別の調査で、国内28万社のうち65.4%が後継者が決まっておらず、売上高1億円未満に限ってみてみると、その割合は76.6%にものぼるそうです。

 

後継ぎ問題でケンカできるなんて幸せじゃん!って言う人がいるのもわかりますね。

 

 

後継ぎ問題解決のヒントは「空き家問題解決方法」の中にある?

 
大塚家具はこれまで、人々の暮らしを快適に豊かにするという切り口で社会に大きく貢献してきた会社だと思います。だからあそこまで大きくなってきた。

 

同じように、これまで日本の成長を支え、社会に貢献してきた日本の60%以上の中小企業が後継ぎ探しに悩んでいるとのこと。これ、ぼく的には直感的に日本の空き家問題と重なります。

 

空き家問題も、その土地や建物の利権に執着して自分の手のなかに囲いこんでいたら絶対に解決しません。

 

持ち主も、それを引き継ぐ人も、周囲に住んでいる人も、幸せにはなれないのです。

 

 

会社の後継ぎを決めるときに大切なのは、
 

・とにかくまずは自分の「想いの本質」は世界を豊かにするものだと信じる。
・その想いが連なって世界がより豊かになってくイメージを持つ。
・会社を引き継ぐのではなく、想いを引き継ぐ。
・想いを継ぐ人を見つける。
・家族に執着せず、想いが連なっていくことを重視する!

 
ではないかと。

 

大塚家具の親子ゲンカから見えてきた「中小企業の後継ぎ問題」は、想いをマッチングさせることが重要で、いまそこかしこで進められている空き家問題の解決方法からヒントがもらえる気がしました。

 

塩尻市スーパー公務員の山田崇さんが展開しているこのプロジェクト、なにげに参考になりそう。
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空き家プロジェクト nanoda
<参考記事>【life】ナンパをしたことがない私が感動してしまった元ナンパ師山田崇さんの生き方。

 

 

まとめ

 
執着はケンカに発展します。その執着が強ければ強いほど、争いは大きくなる。それが、やがて戦争に発展していくんだとぼくは思います。

 

愛と執着は紙一重。
<参考記事>【life】「愛が大切」とか言っちゃう男はやられているので信用してはいけません。
何者にも何事にもとらわれず、たったひとつの自分の想いが描く軌跡をたどって生きていければいいなと思いました。

 

それではー!

 

ABOUTこの記事をかいた人

1980.1.1 東京生まれ YouTubeチャンネル『シンプリィライフ』では、本を参考にしながら無意識の思い込みから自由になる方法をアニメーションで解説しています。本業は古本買取サービス「バリューブックス」のSEOマーケティング担当。