【良風土】トヨタが「横のつながり」をつくる活動に力を入れているたった一つの理由





 
言わずとしれた大企業、トヨタ。
トヨタは仕事以外で「横のつながり」をつくる活動にかなーり力を入れているようです。
 
なぜトヨタは婚活パーティを主催するのか (プレジデント) – Yahoo!ニュース

 

ここに書いてある具体的な事例は、硬式野球、ラグビー、バスケットなどの部活動・社歌コンテスト・社内婚活パーティー・社内駅伝大会・工場祭り(従業員の家族や地域住民が集まる大きなイベント)。

 

スポーツ活動においては、業績不振でスポーツ活動から撤退する企業が多い中でトヨタは変わらずに続け、リーマンショックでキツくなってから逆に5部が優勝しているそうです。

 

どうしてそんなに「横のつながり」をつくる活動に力を入れるのか?
ワケあって、いま他企業のそういう事例を調べています。
ちょっと調べたことと思ったことを書いてみます。

 

4486315740_36f59e99dc_b
photo credit: 100402 via photopin (license)

 

スポンサードリンク




 

トヨタウェイが目指すもの

 

記事から引用させていただきます。

 

トヨタウェイは「人間性尊重」を掲げている。具体的には、ステークホルダーの尊重、会社と社員の「相互信頼」と「相互責任」、誠実なコミュニケーションの3つだ。

 

ここには、人生の大部分を費やす職業生活が有意義な人生であったと思えるような会社にしたいという願いも込められている。

 

ということです。

 

トヨタはいまでは古くさいと思われる「愛社精神」を大切にしているそうです。
「わたしは良い会社で働いているんだ」と思えたら仕事がんばれますよね。
で、「良い会社」というのは「良い車、良い製品を出している会社」だけではなく、「地域や社会に貢献している徳のある会社」ということだと。

 

またまた記事から引用。
 

宮崎直樹元専務(現豊田合成副社長)は「いい会社に勤めているな、この会社にいて誇りに思う気持ちが愛社精神につながると思います。いい会社とは、いい車を出しているというだけではない。何か国とか地域の役に立っているとか、徳のある会社であることが大事」と語る。

 

「良い会社で働いている」と気持ちよく感じてもらうために、まずは会社にとって「一番身近な社会」である社員とその家族が楽しみ、一体感を感じられるような、様々な「横のつながり」をつくる活動をしているのだと思います。

 

社会貢献っていうのは、別に社会的に目立つことに意味があるのではなく、身近な存在から考えるべきものなんだと改めて考えさせられます。それこそがトヨタウェイの「人間性尊重」の重要な部分なのでしょう。

 

 

日本人が「愛社精神」を醸成する意味

 
いまではちょっと気恥ずかしさすら感じてしまうこの言葉ですが、日本人の気質・文化にぴったりなんじゃないかと思います。

 

海外の人達がどうなのかはわかりませんが、日本人はある意味とても「ウエット」です。
人間味があるというかなんというか、善くも悪くも人間密着的なところがある。

 

製品の技術とか、お客さんが喜ぶとか、大きな社会貢献なのかとか、もちろんそういうのが一番のモチベーションになる人だってたくさんいると思います。

 

でもなんかそういうことではなく、目の前の仕事に意味なんて関係なく「こだわる」とか、別にその仕事が大して好きというわけでもないんだけど「あいつががんばってるからがんばろう!」とか、人の想いに影響されて熱くなって「あの人がそんなに言うならオレ・わたしだってやるぞ!」的なところを持っている人が多いような気がするんです。

 

ホント善くも悪くもありますが、理性的な「意味」だけが重要とするのではなく、自分のこだわりや人の想いに強い影響を受けて目の前のことに取り組んだり、「なんかよくわかんないけど、良いよね」みたいなところでがんばってしまうのが日本人ですよね。

 

 

重要なのは組織能力を引き出す環境づくり

 
この本に、組織能力(OC:Organizational Capabilitiy)についてのことが書いてあります。OCは企業の内部に蓄積された能力のこと。
 

 

トヨタは日本人の気質をよく理解していて、どうしたらみんなが気持ちよくポジティブにがんばれるかを常に考えており、無理なく自然に、そして最大限「組織能力」を引き出すことに成功しています。だから日本を引っ張るモノづくりメーカーになれたのではないか、と。

 

日本人の場合は、みんなが一体感を持つことや、想いを共有することとか、(仕事だけにこだわらずに)ひたむきにがんばっている姿を共有したりすることが重要だったんだと思いますが、その組織の風土というか空気に合わせて、ポジティブにより良い方向に上がっていけるような環境をつくることが大切なのだと感じました。

 

 

実際にトヨタ系で働いている人にインタビューしてみた

 
大学時代の後輩でトヨタ自動車で働いている人がいます。その人に上にリンクを貼ったヤフーの記事を読んでもらってどう思うか聞いてみました。
そしたらまったくその通りだと。

 

本人曰く、部活の応援とかにもよく行くし、休みの日に開催されるイベントに家族を連れてったときも、「せっかくの休みにこんなに会社の人が集まるなんて、何か他の会社とは違うんだろうなー」と言われたそう。

 

駅伝なんかは、全世界から2万人くらい集まって、靴にチップつけて市民マラソン並みの盛り上がりだそうです。
その活気から感じる「何か他とは違うもの」があるのです。

 

それに、チームワークが大事だし、みんなのベクトルが同じ方向に向けるためにはトヨタウェイなどの会社の大きな方向性を共有するのはとても大事なことだと思う、と言っていました。

 

その後輩はいまロシアに駐在中なのですが(がんばれ!)、海外に行ってはじめて「愛社精神」の大切さに気づいたそう。

 

日本人というか、日本のトヨタには終身雇用がなんとなく浸透してて、会社のため、自分のためにがんばる。
けど、海外はちょっと感覚が違うそうです。個人主義的なところが強く、自分のためにモーレツにがんばる、という人が多いとか。

 

やっぱり「愛社精神」は日本人的な考え方なのかもしれませんが、そっちの方がなんかわたしも好きだし、なにより双方向のやり取りが「循環」している感じがしてシックリきます。

 

 

まとめ

 
仕事でも、仕事以外でも、「横のつながり」をつくることはとても大切である、という事例でした。

 

「横のつながり」が一体感を生み、社員の働く喜びにつながり、社員が会社を好きになり、会社と社員が成長し、会社も社会貢献しながら利益を出し、会社も社員をもっと好きになって「横のつながり」がより強く大きくなっていく、、、
 
トヨタ.002.002

 

こんな感じで、会社と社員のあいだを循環しながら、良いことがどんどん大きくなっていく感じ。

 

トヨタは「横のつながり」をつくることで、大きくて良質な「循環」を生み出しています。
つまりトヨタは、ものすごーく長期的で大規模な視点で、エコシステム的な「循環」をつくり出すために「横のつながり」をつくっているのではないかと想像します。

 

あなたの「人生の文字盤」が見つかることを願っています。
それでは!

 




 

ABOUTこの記事をかいた人

1980.1.1 東京生まれ YouTubeチャンネル『シンプリィライフ』では、本を参考にしながら無意識の思い込みから自由になる方法をアニメーションで解説しています。本業は古本買取サービス「バリューブックス」のSEOマーケティング担当。