【良風土】ユニクロ柳井さんの非合理に見える「パート・アルバイト正社員化」戦略がすごい。

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ユニクロを展開しているFR(ファーストリテイリング)の柳井会長兼社長が、一見非合理に見える戦略を打ち出したようです。なんと、今いるパート・アルバイト1万6000人を正社員として雇用するということ。
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photo credit: inthesitymad via photopin cc

 

以下記事の柳井さん講演のまとめを読んで、「この人すげーな、本気だな」と共感しました。
【続報】ユニクロ・柳井正氏が語るパート、アルバイト正社員化の真意

言っていること、目指していることは素晴らしいと思いますが、一体どうしてそんな大胆で非合理的に思える戦略を取るのでしょうか?
私の視点で、共感したことを抜粋し、非合理に見える成長戦略が導き出されたプロセスについて最後にまとめてみます。

 

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働き方を変えないといけない

 

まず、世界一を実現するために、あなたたち一人ひとりが考え方を変えないといけない。私も変えます。あなたも変えてください。

 

今年の我々のテーマは、「Global is local, local is global.」。
これは、日本で最高のモノを作り、米国で最高のモノを作る。フランスでも最高のモノを作る。セオリーで最高のモノを作り、GU(ジーユー)でも最高のモノを作る。それぞれが、FR(ファーストリテイリング)で最高のモノでないといけない。

 

我々はベンチャービジネスで、しかも将来に夢を持っています。そんな会社は世界に何社もないでしょう。日本でも何社もない。そして我々は、グローバル企業になりたいと思っている。そのためには、一人ひとりの夢が叶わないとダメだと思います。

 

時代は変わりました。先行きが不安で、人々が安定した生活を求めるようになっています。残念ながら、先進国では安定を求める人がすごく多くなりました。

 

グローバル化はどんどん進み、移動する人はどんどん移動しています。けれど、日本や欧米のように成熟した社会になると、物的な欲望よりも、精神的な安定を求める人が多くなります。安泰で終わりたいという人が多くなりました。この流れは、いずれ発展途上国にも来るでしょう。
日常生活で成長する人生。そういう生き方を認めるような世の中になったと思います。ですから、そういう人たちの生活を守ることが店長の役割です。

 

 

自分で自分に磨きをかけ、毎日を積み重ねる

 

だから、腰掛け店長や腰掛け販売員は必要ありません。選りすぐった人たちや普通の人たちが、自分で自分に磨きをかけ、あるいは店長や本部スタッフが磨いて、新しい情報をいろいろな国から入れて、海外と同期を取りながらローカルで生き残る。これをやっていきたい。

 

毎日の仕事をやりきって質を高めていけば、必ずグローバルで通用するようになると思います。毎日の積み重ねがすごく大事です。我々は小売業で、労働集約的な産業ですけど、毎日の積み重ね以外に大事なことはありません。

 

 

部下は部品ではない

 

部下は部品でない。得てして、部下を部品だと勘違いしています。「換えればいいんじゃないか」、と。そういうことはないですから。主役は部下です。部下が変わる前に、あなたに変わってもらいたい。これを、お願いします。

 

部下は、取り替えができません。(部下の)人生を預かっている。会社の都合で異動させないようにしないといけない。これは、店長もそうですよね。

 

最近は、本人の達成感なしで(部下を)異動させてしまう。達成感が非常に大切なんです。腰を据えて一つひとつの仕事をやりきる。このやり遂げた積み重ねで、人は成長していきます。ですから必ず、どんな小さなことでもいいですからやりきってください。

 

パートタイムの人でも、短期アルバイトの人でも、勤務時間の長短や働く場所、仕事の中身、さまざまな選択肢があるべきだと思っています。大切なのは、ただ単に時間給で働くのではなく、その中で成長していけるかどうか。成長を実感できるかどうか。それが大事なことです。

 

 

販売員は機械じゃない

 

トップダウンではなくてボトムアップ。底からわき上がるような会社にしたい。販売員が、会社の中心になってやっていけるようにならないといけない。

 

そして少数精鋭。人海戦術はやめてもらいたい。販売員は人です。機械じゃないので増やしたら済むという話ではありません。一人ひとりが輝くようにしようと思ったら、少数精鋭以外にはできません。

 

そのためには、「店長とその他のチーム」ではなく、店長と販売員が、それぞれポジションを持って1つのチームとしてやっていく。そんなチームにしなくてはなりません。

 

現状では、販売員に(会社の)情報が知らされておりません。今後は、販売員に(会社の経営)情報をシェアしていきます。
店長は、自分の時間の9割を、販売員と話すこと、聞くことに割いてもらいたい。経営者とはそういう役割です。意思疎通が完全に取れて、「自分のチームだ」と思えるようになるまで、コミュニケーションを取ってもらいたい。

 

残念ながら、みなさん自身が会社の経営方針を理解していません。自分の言葉で話ができるようになるには、まずは自分が100%納得すること。そのうえで話をする。話す訓練もしてください。

 

販売員には今の効率の2倍を求めます。その代わり、余程のことがない限り、雇用をしていきます。
(販売員の)安定した生活を守りますが、その代わりに個店の水準をもっと上げてもらう。1店舗1店舗が世界最高店舗にならないといけません。それが、世界最高の企業になるために必要だからです。

 

 

自分の人生は、自分で決めてもらいたい。

 

その時に基本となるのが自分で自分のビジネスができるかどうか。
あなたは何のために生きているのですか。あなたの使命は何ですか。これが、一番大切なことです。この問いを売り場一人ひとりに問いかける。そういう意識がない人は、いかに能力があっても働いてもらいたくありません。

 

今の店舗運営は)パートやアルバイトが主ですが、今後は彼らを正社員にしていきます。一生託せる会社、成長していける環境を作ります。

 

販売員全員が店長、あるいは店長代行が出来る人に変えていく。人の言うことを聞いて、疑いもなく作業する人はいらない。何が一番最適なのか、自分がやるべき仕事が全体から見てどうなのかを考えてもらう。そして、「これが自分の店だ」「自分が誰よりもこの店に貢献している」と思えるように変えていきます。

 

私は、経営者には、2つしか仕事がないと思っています。
一番大事なのは教育すること。経営者は全員、教育の担当であり、人事の担当でないとダメ。それが一番大事です。
もう1つが利益責任。利益がなければ誰も幸福になれません。今日の生活があるのは、利益を上げてうまくビジネスをしているから。そのお陰で今、存在できているわけですから。

 

 

一人ひとりの販売員が主役になれる舞台を作る

 

みなさん、最高の店で買い物したいでしょ。だったら最高の店以外はいらないよね。
資本主義が進み、需要の方が供給よりも少ない中で、どんどん商品が供給されていく。世界中から商品も店舗も来る。その中で選ばれるには、最高の店以外、もういらないでしょう。

 

ブランドを作る主役が店長と販売員。経営者ではありません。

 

地元に根付いて社会貢献する人が、世界水準の仕事をして、主役になれるストーリーを作っていく。転勤を重ねて出世するストーリーは、今後一切いりません。本部や上司を見て仕事をしないように。そんな人は必要ありません。

 

部下やお客様を見てください。一人ひとりの販売員が主役になれるように。
これが「Global is local, local is global.」の意味です。
そのように大転換し、働き方を変えていきます。

 

人を大切にして育成していく。そして全員が考えて実行する。
サッカーのゲームでは、監督が選手にいちいち指示を出しているわけではないでしょう。選手一人ひとりが最適を考えてゴールを目指していくつもりです。

 

 

部下がおびえる経営者はいらない

 

「グローバルワン全員経営」を本格的にやっていきます。これは、我々の基本中の基本。ブランドが変わろうとも、居場所や民族が変わろうとも、自由で平等で、しかも「人間対人間」の組織であること。

 

部下が上司を評価し、上司も部下を評価する。全ブランドが1つの会社になって、世界で最高の方法で、全社のあらゆる業務を、ワンチームで解決する。
「全員経営」ですから、全員がトップの経営者のつもりで働いてもらいたい。我々はサラリーマンや時間給をもらうような人はいらない。経営者の代理として考え、仕事をすることが大事です。

 

そのうえで、販売員と繋がってもらいたい。それができないような経営者はいらない。経営者が行ったら、販売員がおびえるような人はいらない。販売員が寄ってくる会社にしてもらいたい。

 

全社員で、この価値観を共有してもらいたい。そして社会を良い方向に持っていってもらいたい。我々のビジネスを通じて社会を良い方向に持っていく。企業活動を通じてそれを実現することが自由主義だし、民主主義だし、資本主義です。

 

企業価値のイノベーションを起こしていきます。イノベーションの元は企業活動であり、異質な者同士が集まって全員で成し遂げることがイノベーションです。服を通じて、世界をより良い方向に持っていきたいと思っていますし、それこそが我々に必要なイノベーションです。

 

 

一人ずつが夢を持てる会社にする

 

誰でも夢があると思います。どんなに小さな夢でも、一人ずつが夢を持てる会社にすること。その実現に向けて、歩んでください。

 

経営者だけが夢を実現する会社はダメ。いらないです。一人ずつが夢を実現する会社にしていきます。若い人の中には、まだ何も経験していないのに、最初から諦めている人が多い。でも、積極的に求めてください。自分の夢がない限り何も始まりません。夢は思い続けたら絶対に実現します。夢がない世界など知れています。

 

今日よりも明日が必ず良くなるという思いで、全員が夢の実現者になる。自分の夢ではなく、相手の夢の実現者になる。そんな思いで働かないといけません。

 

 

あらゆる人に愛情を持って向き合う

 

そして最後にお願いしたいのは「愛」です。
従業員への愛。あなたは具体的な行動で示していますか。従業員への愛があるようなことを言う人はいますが、具体的な行動で現していない人がとても多い。具体的な行動で示してください。

 

お客様への愛。我々が今日あるのはお客様のおかげです。我々を支持してくれて商品を買ってもらえるから。世界中の人々への愛。これがないといけないと思う。仕事や生き方に「愛」があるかどうか。

 

にこっと笑って、世界一の笑顔で握手をする。従業員全員がこんな姿になるよう、是非お願いします。

 

 

まとめ

ムダな店舗はいらない。お客様は最高の店で最高の買い物がしたい。最高の店舗を作るためには、店長含め販売員一人ひとりが持っている能力を存分に発揮し、常に最高のパフォーマンスを心がける必要がある。

 

そのために、販売員一人ひとりが夢を持ち、自らが経営者であるという意識で常に考え、販売員一人ひとりが主役になれる舞台が必要。
部下が怯えるような経営者はいらない。逆に、本部や上司を見て仕事をする人、サラリーマンや時間給をもらうような人もいらない。経営の代理として考え、仕事をすることが大切。

 

働く人が夢を持ち成長しながら、最高のパフォーマンスを発揮できる環境を作り、経営者ではなく従業員がブランドを作っていく。それにより売上げを増やし利益を最大化し、さらなる社会貢献を目指す。これを実現するために、愛情を持って目の前の人と向きあう。

 

そのために、パート・アルバイトを正社員化するということ。

 

 

ファーストリテイリングはブラックだと言う人もいますが、嫌なら辞めればいいだけじゃないかと私は思います。自分の人生は自分で選択していくもの。他の誰が決めるものでもありません。

 

柳井さんは年収100万円時代だとか、大胆なことを言う人ですが、ウソをつかず恐れずにはっきりと自分の考えを主張できる人だし、本気で何かを成し遂げようと考えている人だと思います。
その人が、利己的ではダメで、利他的ではないといけないんだ、それに気づいたんだ!みたいなことを、今回の講演で社員に語ったのではないかと。
瀬戸内寂聴さんの「もうこりた」の境地ですね、きっと。

 

何かを思い通りにしたければ、思い通りにしようとしてはいけない。
という自らの教訓を教えてくれているような感覚に陥りました。

 

素晴らしい経営方針だと思います。

 

今、いろんな会社で「インナーブランディング」が流行のようですが、人の成長を軸にした「ボトムアップだ!」というトップダウンと、具体的な行動に落とし込む施策さえあれば、そんなことしなくても自然と良くなっていくような気がしました。

 

柳井さんの本紹介。

 
あなたの人生の文字盤が見つかることを願っています。
それでは!
 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

1980.1.1 東京生まれ 2016年3月に長年勤めた工作機械メーカーを退職し、「独立して生きていく」ことを目指して出発しました。 文章を書くこと、子どもと触れ合うことが大好きです。 「相手の望んでいることを120%理解し、自分にできうる最高のパフォーマスンスを発揮する」ができる人間になることが、2016/8〜3ヶ月の目標。 最終的には「人の中に眠っている力を発見し、引き出せるヤツ」になりたいと思っています。 よろしくお願いします! 好きなこと: 歌(カラオケ)/ブログ/読書/ノート/旅/キャンプ