企業は「長期にわたって持続可能な利益を上げる」というゴールに向かって、強烈なシュートを蹴り込む集団になれ。

 

 

企業が目指すべきゴールは、「長期にわたって持続可能な利益を上げること」であり、そのゴールへ強烈なシュートを打ち込むためには、誰も真似しようとしない一見非合理的に見えるようなパスをつないでいく戦略ストーリーで、長期的な競争優位を生み出すことが必要であると本書には書かれています。

 
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photo credit: FutUndBeidl via photopin cc
 

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ではなぜ「長期にわたって持続可能な利益を上げること」が重要なのか?今回はこれをはっきりさせたいと思います。
私はちょっと前まで利益の追求に走ることは「汚ならしくて悪い」ことだという強いイメージに毒されていましたが、あるキッカケでお金と志の深い因果関係を知り、お金と志という2つ針を時計のように回していくサイクルが仕事である、というのを大先輩に教えてもらいました。
 
そのときから考え方に変化があったのですが、でもそれでも、企業が果たすべき最も大切な役割は利益の追求ではないという想いは持っていました(理論はないけど、、、笑)ので、この本で「利益を上げることが最重要である」と書いてあるのを読んだときに、「何故だ!?」と感じたのです。
 
従業員の雇用や生活を守ること、従業員の満足、成長、シェア、地域や社会に貢献すること、世の中をより良くしていくための活動など、、、企業がやるべきことはたくさんあるだろう、と。

 

私は、顧客満足については企業が目指すべき一番大切なことであろうと思っていましたが、やはり一番重要なのは「長期にわたって持続可能な利益を上げること」だと著者は主張しています。何故か?
 
以下本書より引用です。

 

 

多くの企業が「顧客第一主義」を理念として掲げています。これはもちろん正しいことなのですが、顧客満足とは何でしょうか。「顧客満足の総量」を測る指標であれば、相当に正直な物差しが一つあります。それは利益です。
 
「顧客第一主義」を持論とするある経営者がこう言っていました。「顧客の喜ぶ顔が当社にとってはすべてです。ですから、思い切った値下げに踏み切りました。ご覧ください。顧客の皆さんは喜んでおります!ニコニコしております!」しかし、これは詭弁です。裏を返せば、値下げをしなければ誰も欲しくないような、ろくでもない商品なのかもしれません。
 
もちろん低価格が結果的に顧客満足をもたらすことは少なくありません。むしろ顧客満足を実現するための王道の一つと言ってもいいでしょう。しかし、この場合でも大切なのは低価格を無理なく可能にするだけのコスト競争力の裏付けがあるかということです。低価格に見合う低コストが実現されていなくては、顧客満足は維持できません。低コストの裏付けのない低価格はニセの顧客満足にすぎません。

 

 

「顧客第一主義」「顧客満足」というのは、端的にその場で顧客が喜ぶことをすることではなく、持続的・継続的に顧客と「パートナー」として付き合っていく前提に立って、顧客が価値を感じるものを提供していくことを言っているのだと思います。
 
そして、顧客のパートナーとして価値を提供し続けるために、企業は持続的に利益を上げていかなければならないということです。

 

長期にわたって持続可能な利益を上げることは、すべての「良いこと」につながっていきます。
社会貢献や従業員満足だってそうです。どんなに社会的に価値のあることをやりたいと目標に掲げても、利益がなくて余裕がなければそんなこと言ってられないし、従業員満足についても雇用を守るとか給料を払うなど基本的なことさえ、利益がなければ成り立たない。逆に余裕があればやりがいのある仕事を任せたり、従業員の成長のためのプランを考えたりと、様々なことができるようになります。
 
企業が目指すべきことは、すべて利益と強い結びつきを持っているのです。
だからこそ、企業が目指すべきゴールは「長期にわたって持続可能な利益を上げること」なのです。
 
そのために、どんな戦略ストーリーで競争優位を勝ち取るのか?というのが次のステップになります。
この本、面白いです。
 
それでは。
 

 

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1980.1.1 東京生まれ YouTubeチャンネル『シンプリィライフ』では、本を参考にしながら無意識の思い込みから自由になる方法をアニメーションで解説しています。本業は古本買取サービス「バリューブックス」のSEOマーケティング担当。