自己満足を追求して「世のため人のため」を見つけていくストーリー戦略

 
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photo credit: Untitled blue via photopin cc

 

 

ストーリーとしての競争戦略が目指すものは、一つ一つの人や事象や打ち手がパスでつながる「ストーリー」を作り、「競争優位」を生み出して、「長期にわたって持続可能な利益」を得るというゴールに向かうということです。
 
この本の中では、そもそもなぜゴールがそこなのか?ゴールに向かうためになぜストーリーが大切なのか?どうしたら揺るぎない太くて強いストーリーがつくれるか?をたくさんの企業の事例を紹介しながら説明しています。

 

 

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すごく分厚くて読み応えのある本です。長編なのですが、とても分かりやすく、内容も納得できる素晴らしい本でした。面白かったのでなんとか読めました。
 
長期的に利益を上げていくことが一番大切なことであり、そのためには「太くて長い」誰もが面白いと思うストーリーを作ることが必要だと、何度も理論的にそれを説明しているのですが、最後に「一番大切なこと」という題名の章で締めくくられています。ちょっと長いですが、今の自分にグサッと刺さり、シビれたので以下に引用させていただきます。

 

 

論理が大切だという話をこれまでしつこくしてきました。だからと言って、論理にとらわれて、自分自身にとって「切実なもの」を衰弱させてはなりません。戦略ストーリーにとって一番大切なこと、それはストーリーの根底に抜き差しならない切実なものがあるということです。
 
戦略ストーリーにとって切実なものとは何か。煎じ詰めれば、それは「自分以外の誰かのためになる」ということだと思います。
「社会貢献」とか「世のため人のため」というと何やらきれいごとに聞こえるのですが、自分が楽しい、自分のためになるということだけでは、スタートダッシュは効いても、決して長続きしません。

 

人間は多かれ少なかれ利己的な生き物です。誰もが自分が一番かわいい。しかし、その一方で人間はわりとよくできているもので、自分以外の誰かに必要とされたり、喜ばれたり、感謝されたり、そういう実感を得たときに、一番嬉しく、一番自分がかわいく思えるものです。それが人間の本性だと思います。

 

そう考えると、「切実さ」と「面白さ」とは、実際のところほとんど重なっているのかもしれません。「好きこそものの上手なれ」です。自分が好きで、心底面白いと思えることであれば、人は持てる力をフルに発揮できます。その結果、良い仕事ができるし、自分以外の誰かの役に立てる。人の役に立っているという実感が、ますますその仕事を面白くする。ますます好きになり、能力に磨きがかかる。
 
こうした好循環が仕事を持続させるのだと思います。「世のため人のため」はつまるところ「自分のため」ですし、本当に「自分のため」になることをしようとすれば、自然に「世のため人のため」になります。

 

 

最近の私の興味は、目の前に流れるすべてのことを自分の成長や自分の楽しいことにつなげていくことになっています。自分が成長できて楽しければそれでいい、人生なんて結局最後は自己満足なんだから、自分主義で生きなければ後悔するだろう、という考えです。

私は結構八方美人なタイプなので、今までそこまで自己中心的に生きてはこなかったので、なかなか実行するのは難しいことなんですが、今のこの考え方が間違っているとは思っていません。自分が楽しまなければ、やっていることはなーんにもうまくいかないと思います。

ですが、それだけでは何かが欠けているような感じがしていました。目の前のことを自分だけが楽しくて面白がってやっていても、飽きちゃったらそこで終わりだし、絶対に飽きないものに巡り会うこともなかなかないんじゃないかなー?なんて思ったり。

人間はみんな自己成長の欲求を生まれもっているそうです。何かを学んで成長していくことを感じて、さらに成長したいと強く思う生き物。その成長のサイクルをうまく循環させて継続していくうちに、次第に「貢献したい」という欲求が生まれるそうです。

きっと自己中心的に成長や学びに貪欲になる時期はあって、それを突き詰めていくプロセスを経て、本書の最後に書いてあるような「世のため人のため」の精神へと自然と重なっていくのではないかと、そう思いました。

自分が楽しいという自己満足が存在するということは大前提であり、その上で「世のため人のため」という貢献の精神で物事を長期的に捉えるという人生のストーリーを描けるといいな〜と思います。

それでは。
 

 

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1980.1.1 東京生まれ YouTubeチャンネル『シンプリィライフ』では、本を参考にしながら無意識の思い込みから自由になる方法をアニメーションで解説しています。本業は古本買取サービス「バリューブックス」のSEOマーケティング担当。