【要約TED】「成功報酬は創造性を潰す」という社会科学者の常識。「Why」を知ることがモチベーションにつながる!

 
TED talksより。
今私がとても興味のある「モチベーション」に関するプレゼンテーション。おもしろかった!
 
ダニエル・ピンク「やる気に関する驚きの科学」
 
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社会科学者が知っていて、多くのマネージャーは知らない「伝統的な報奨は我々が考えているほど有効ではない」という事実が、「ロウソク問題」という実験を元に証明されたお話から始まります。
 
以下の写真を見てください。
 
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ロウソク問題とは、「マッチと画鋲を使ってロウソクを壁につけてください」というもので、この問題を、「正解を出す平均タイムを計りたいから」といったグループと、「早く正解を出したら報酬をあげる」というグループに分けて、実際どちらのグループが早く正解にたどり着くか、という実験です。
 
驚くことに、成功報酬を提示したグループの方がタイムが遅かったといいます。

 

そして次に、この写真を見せて同じ実験をした場合にどうなるか?
 
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この場合、前述の実験とは逆に成功報酬を提示したグループの方がタイムが速くなったそうです。

 

 

ちなみに正解はこう。
速くなったのは、箱は「画鋲入れ」ではなく、「ツール」としてみれるようになったからだと思います。
 
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この実験の結果について、彼はこう言っています。

 

成功報酬が効果を発揮するのは、ルールや目的が明確な場合のみです。
報酬というのは、意識の集中を促すものなんです。
ただ集中をして、ゴールを目指す場合にはすごく有効。

一方オリジナルのロウソク問題は視野が狭まると解けません。
でも報酬は視野や可能性を狭める。これは重大なことです。

 

成功報酬はしばしば創造性を潰すのです。

 

これは科学的に実証されている、まぎれもない事実である、とダニエル・ピンクさんは言っています。

 

 

今の時代、簡単な仕事は容易にアウトソーシングできて、多くの人の目の前には「ロウソク問題」ばかり。
「ロウソク問題」は視野が狭まると解けません。でも報酬は視野や可能性を狭める。
「報酬はクリエイティブな思考の妨げになる可能性のほうが高い」のです。

 

ダニエル・ピンクさんはこのプレゼンの中で、

 

まずは、自分で行動できるという『autonomy(自主性)』
次にスキル、モノ作りができる<『mastery(熟達)』 そして最後に、なぜ働くかという『purpose(目的)』 このの3つが、これからの時代の会社経営に必要なプリンシプル(指針)だ

 

と話していました。

 

 

また、彼は、いい仕事をするための秘訣についてこう言っています。

 

アメとムチではなく、内発的な動機が いい仕事をさせる秘けつである。やりたいから、やることに意味があるから、という気持ちだ。

 

今でも多くのマネージャーの中で常識となっている「アメとムチ」の手法は、これからの創造性を必要とする時代には使いものにならないということを、私たちは早く認識しなければいけません。
 
そして、なぜ私たちはここで働いているのか、なぜ私たちの会社が存在するのか、なぜ目の前の仕事をしているのか。
本質的な「Why(なぜ)」を解くことは、やることに意味を見いだし、自発的行動につながっていくはずです。
(このWhyについては、以前の投稿「[ブランディング]自社が約束するブランド経験とは?という疑問から、ブランド再生について考えてみる。」の中でも触れました。)
 
なぜ働くか?という共通認識を持つことで、自主的に、技術を向上していく。
この好循環を作り出すために、やはり私たちが働く「Why」を見つけることから始めなければいけません。
 
それでは!

 

ダニエル・ピンクさんの著書。読みたい本リストに追加!

 

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1980.1.1 東京生まれ YouTubeチャンネル『シンプリィライフ』では、本を参考にしながら無意識の思い込みから自由になる方法をアニメーションで解説しています。本業は古本買取サービス「バリューブックス」のSEOマーケティング担当。