「年収100万円時代」を生き抜くために「依存」という考え方から脱出しよう。

 
ユニクロ柳井会長の「年収100万円時代」発言が少し前に話題になりました。
これには賛否両論あるようですが、誰もが言いたがらないようなことをはっきり言える柳井さんという方に、私は好感を持ってしまいました。この発言を元に、「年収100万円時代」を生き抜くためにはどうしたらいいのか?考えてみました。
 

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photo credit: inthesitymad via photopin cc

 

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現状把握と未来予想

柳井会長の言葉は一つの未来予想です。といっても、おそらくすぐそこまで来ている未来。柳井さんは、朝日新聞デジタル「年収100万円も仕方ない」ユニクロ柳井会長に聞くという記事で、以下のように言っていたようです。

 

「それはグローバル化の問題だ。10年前から社員にもいってきた。将来は、年収1億円か100万円に分かれて、中間層が減っていく。仕事を通じて付加価値がつけられないと、低賃金で働く途上国の人の賃金にフラット化するので、年収100万円のほうになっていくのは仕方がない」

 

日本の製造業はまさに今、そういう危機に直面しています。生産はどんどん海外移管されており、同じ製品が安く生産できるというのは実証されてきている。経営者としては、当然安く生産したいですよね?だってその分利益が上がるんですから。従来通りのものづくりのままでは、付加価値が付けられない状況にどんどん近づいていっています。
 
資本主義・実力主義の社会の中では、同じことをやっていれば、当然賃金だって同じにしていかないと矛盾が生じます。物価が違うだとか、生活が違うなんていうのは言い訳にしかならない。じゃあ、グローバルの賃金を日本と同水準にするか?と言われれば、するわけないですよ。わざわざコストを上げるなんてことしませんよね。
 
賃金のグローバル・スタンダード化は自然な流れになってきます。

 

製造業従事者には、新しい価値を創出するか、賃金がグローバル化するか、どちらかの道しか残っていないんです。(きっと製造業に限ったことではないですが、分かりやすい例として。)「今までと同じ状態」は絶対にあり得ない。
ユニクロ柳井会長は「年収1億円か100万円に分かれて、中間層が減っていく」という言葉で、価値を創出するのか、それとも今までと同じことを続けるのか、その選択のことを「はっきり突きつけてくれた」んだと私は捉えています。
 
これまで偽りの「1億総中流社会」を生きてきた日本人にとっては、受け入れがたい事実なんだと思います。だから自分の生活が劇的に変わるかもしれないような発言に対して騒ぐんです。自分にとって悪いこと、聞きたくないことは、何かのせいにして受け入れようとしないのが人間です。

 

そう考えると、これからのグローバル化・フラット化する世界は、日本にとって相当なビハインドです。
みんな平等とか、経営者は私たちの雇用を守るべきとか、、、これまで生きてきた社会のおかげで「余計な常識」で頭の中がいっぱいになってしまっている。この思考に囚われていると、これからの世界は本当に生きていくのが大変な世界になります。

 

 

会社に対する考え方を変える

私なりに考えてみると、やはり「会社の中で言われた通り働く」という思考の檻から脱出することがまず最初のステップになります。これまでの流れでグローバル化が何をもたらすかは少なからず分かっているはずです。それをまず認めることをすれば、人を「コスト」と見てしまう会社を、親のように信じて言われるままに働くことは、自分と家族のことを考えたらしてはならないことです。

自分という人間に当てはめて考えればよくわかると思いますが、会社という「人格者」も、まず自分が生き残ることを先決します。これは仕方のないことだと一回受けとめましょう。言われた通り定年まで会社が面倒見てくれるという時代はもう終わったんです。

 

 

会社に依存しない生き方を模索する

次に、これは自然な流れだと思いますが、会社に依存しない生き方を模索します。
会社だけに100%依存して生活するのではなく、別の生き方・働き方を考えてみる。そうすると、自分には何ができるか?どんなことで食っていけるか?どんなことで食っていきたいのか?という思考に至ります。これは、世の中に無数に空いている「穴」を探す作業であり、その「穴」をうまく塞いでいくことができれば、まさに「価値の創出」につながります。

 

会社は組織が強く、資金や人材が豊富なのでドデカイことができる可能性がありますが、逆に会社の中で価値を創出するってことは、既存のしがらみや枠組みが土台にあるために、とても難しい作業になります。組織も思考も、大きいがゆえに動きが鈍い。
 
個人には資金や組織はありませんが、しがらみがなく、自由に動き回れるメリットがあります。インターネットやテクノロジーを駆使すれば、やり方によっては世界中の多様な人達とつながり、組織ではない大きな集合知として世界を変えれるだけの力を発揮できるかもしれません。(これは私にとっては想像の域をでませんが…)

 

会社に依存しないという気持ちは、自分が本来やりたかったことを思い出したり、自分の生き方を見つめ直したりすることにつながります。さらに言うと、会社という小さな枠組みの中でしか考えられなかった脳みそが解放され、今までになかった「新しい価値」を発見する可能性が大きく広がります。
これは自分にとっても世界にとっても、とても良いサイクルを生み出すと私は思います。
 
会社と個人、どちらにもメリット・デメリットがあり、ようは「どうやるか?」という問題なのですが、会社で働きながら生きていくにしても、個人が「会社に依存しない」という考え方を持つことは自分の世界を広げます。無数に空いている「穴」を見つけて塞いでいく、つまり世界が必要としている価値を創出することにつながり、好循環をもたらす大きな可能性を秘めています。

 

 

まとめ

会社で働くにしても、個人で起業するにしても、これまでの固定概念や常識や幻想を捨て、何かに完全に依存しない働き方について考え、覚悟することが、自分の生き方にも、世界にも良い影響を与えると思います。
 
目の前の状況に文句や愚痴を言う前に、できることはきっとある。
私は最近やっとそれに気づきました。
 
いままでの「会社」という組織では、余計なことは考えずに目の前の仕事に没頭していれば食っていくことができました。でもこれからは違います。年収100万円時代はもう目の前に訪れています。
 
将来のことを考えることはとても面倒で、エネルギーの要る作業です。でも5年後10年後に本当に立ち行かなくなってから考え始めれば、生きていくのが辛く大変なことになったりするだろうし、何より死ぬ直前に後悔するよりはマシな道ではないでしょうか?
 
「依存」は「思考停止」につながります。そのことを念頭に置いて、みんなで一緒にこれからの新しい働き方について考えてみませんか?
それでは!

 

参考記事:Yahoo!ニュース
「年収100万円」にならないために必要な、たったひとつの能力
ユニクロ「年収100万円」発言にみる、「平等幻想」が壊れる未来
 

ABOUTこの記事をかいた人

1980.1.1 東京生まれ YouTubeチャンネル『シンプリィライフ』では、本を参考にしながら無意識の思い込みから自由になる方法をアニメーションで解説しています。本業は古本買取サービス「バリューブックス」のSEOマーケティング担当。